●井上メルマガ('07/11/29)   落札率99.9%

  井上さとしです。

  新・テロ特措法の参院での本格審議がいよいよ始まります。昨日は、本会議での趣旨説明と質疑が、さらに今日の外交防衛委員会で提案理由説明が行なわれ、来週にも総理出席のもとで総括質疑が行なわれることになります。今日も午後から、その論戦対策会議を行ないました。

    新・テロ特措法の審議の前提になるのが底知れない防衛利権問題の徹底解明です。昨日は守屋前防衛事務次官が逮捕され、今日は防衛省に東京地検の捜査が入り、国民は税金が食い物にされていることに怒りの声を上げています。

    今日の午前中の外交防衛委員会では、その山田洋行と防衛省の装備品の契約実績の驚くべき内容について取り上げました。この6年間の山田洋行の本省からの受注総額と予定価格の総合計をただすと、防衛副大臣から「受注総額は165億5700万円で、予定価格の総額の165億6600万円に対し99.9%になる」と答弁。委員会室からも「ホ〜」と驚きの声が上がりました。

     今、地方自治体でも各省でも入札を改善し、予定価格よりも安く契約して税金の節約をする努力がされています。ところが防衛装備品の契約は、「特殊なものが多い」などの理由から一般競争入札がおこなわれず、これまで大半が随意契約で行なわれてきました。そのなかで、落札率99.9%という驚くべき結果になっているのです。

    しかも外国メーカーからの装備品の購入はさらに驚くべきシステムになっていることも分かりました。国内メーカーからの購入の際には、防衛省が積算をして予定価格を決めます。ところが海外からの購入の際には、商社が相手企業からの見積書を提出すると、そのままその見積もりに輸送費や商社の手数料を加えて予定価格がつくられるというのです。

   ですから、商社が見積書を改竄して高値にしてきてもチェックできませんし、メーカーが高い見積もりを出しても、そのままの値段で契約になってしまいます。「言い値だといわれてもしかたないではないか」との私の追及に防衛相も反論できませんでした。およそ国民の税金を節約しようという姿勢はありませんし、こういうシステムを悪用して税金が食い物にされているのです。あきれ果てます。

    私は、国民生活に関わる予算はこと細かく切り詰められているのに、契約のあり方も防衛費は「聖域」になってる、ここにメスを入れるべきだと防衛相に迫りました。

    質問終了後、共同通信からの取材があり、配信されました。明日、記事を掲載する地方紙があると思います。

    この質問にこぎつけるには、事務所スタッフの粘りづよい交渉と世論の後押しがありました。事務所として防衛省に対し、山田洋行との契約実績を資料として提出するように求めたのは10月の末でした。いったん出てきた資料は、「予定価格」の欄がほとんど空白でした。

    防衛省はこれまで、装備品の契約実績に関して予定価格を明らかにするよう求めても「今後の適切な契約に支障をきたすおそれがある」などとして、なかなか明らかにしてきませんでした。しかし、今回は山田洋行が防衛予算を食い物にしてきたことを明らかにするべきだという国民世論の強い後押しがあります。

      なかなか資料を出さない防衛省を何度も督促。今週の月曜日に、「その資料に基づき質問をしたいのに、今日中に出さなければ、明日の委員会の質問通告はできない」と厳しく求め、やっと資料がでてきたのは23時半でした。ほぼ一ヶ月かかって、これまで出てこない資料を出させることができたのです。

    それから資料の膨大な数字を計算し、その内容を分析し、今日の質問に結びつきました。来週からのテロ特措法審議でもさらに鋭い追及ができるよう、がんばりぬきます。



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