●井上メルマガ('07/11/15) 証人喚問を終えて
井上さとしです。
山田洋行の米津社長と守屋前事務次官の証人喚問を終えて、メルマガを書いています。参議院では久方ぶり、もちろん私は初めての経験です。
実は、守屋氏は、自分と山田洋行の宮崎元専務との宴席に同席した政治家の名前は今日も明らかにしないだろうと思っていました。ところが、繰り返して質問される中、守屋氏はしばらく目をつぶって沈黙した後、意を決したようについに「久間先生と額賀先生」との名前を出したのです。
そこで急遽、私の質問の内容も変更し、まず、この宴席がどんな内容だったかを追及することにしました。久間氏が同席した宴席の人数を聞くと、「4人」との答え。久間氏、守屋氏、宮崎氏とあと1人です。「どういう趣旨の宴席だったのか」とただすと「秋山さんの…」と話はじめるではありません。「4人目の方は秋山直樹さんですか」と聞くと、「そうです」との答え。さらに「費用は誰が負担したのか」との質問には「私は払っていません」。
出た〜、と思いました。秋山直樹氏は、日米安全保障議員協議会の事務局長を務め、日米の防衛族の議員と軍需産業、役人をつなぐ黒幕といわれてきた人物。政治家、官僚、軍需商社、そして軍需産業の黒幕……この4人で宴席を持っていたというのですから、防衛利権の闇の部分が浮かび上がってきた瞬間でした。
さらに急遽、質問内容を変えたのは、「山田洋行がGEの代理店であったことを承知していなかった」という衆院での証言が偽証の疑いがある問題です。守屋氏が議長を務めていた装備審査会議に提出された資料に代理店の件が明記されていたことが明らかになっています。
この件は、各マスコミももっとも偽証の疑いが強いものとして報道していましたから、当然、前の質問者がかなり追及すると思っていました。ところが、誰も「偽証だ」と追及しないのです。このままでは、なんのための二回目の喚問かということになります。そこで、この点も急遽追及し、「偽証の疑いが強い」と厳しく指摘しました。
「あなたは装備審査会議の議長でありながら、会議当日にだされた資料を見ていないのか」と追及した部分は夜の「報道ステーション」でも放映されました。やっぱり、質問して良かった。
しっかり準備をしつつも、前の証言で開いた小さな穴に着目し、その場で質問を考えて突破口を広げる……喚問の醍醐味を少し味わうことができました。
午前中の米津参考人は、問題をすべて宮崎氏のせいにしようという狙いが見え見えで、自分たちに都合の悪いことは「記憶にない」「知らなかった」の繰り返し、証人喚問のように偽証罪がない中で、少々責めあぐねました。しかし、今後の疑惑解明の入り口になる様々な問題も浮かび上がり、重要な質疑になりました。
疑惑解明はまだまだこれから。久間、額賀両氏や秋山氏、山田洋行の創業者の喚問も必要になってきます。引き続き、全力でがんばります。
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