●井上メルマガ('07/10/15)   様変わり国会

  井上さとしです。

  衆参の代表質問、予算委員会も終わり、テロ対策新法を軸にしながら、特別委員会・常任委員会での質疑が焦点となってきました。これまでの審議や今後の日程協議を通じて与野党逆転の参院の様変わりを実感しています。

    まずは予算委員会の座席です。参院では質問者の右斜め後ろが、テレビ中継のときに一番良く映る特等席。これまではずっと第1党である自民党がここに座ってきました。今国会からはここに民主党が座り、テレビを見ていても民主党の議員ばかりが良く映ります。 先日の外交防衛委員会の理事懇の時も、自民党の議員が「予算委員会が始まって、座る場所が変り、選挙で負けたことを改めて実感した」とぼやいていました

    各委員会の今後の日程協議も様変わりです。内閣提出法案であれ、議員立法であれ、院に提出されると各委員会に付託され質疑が行なわれます。法案に対し、どこかの会派が本会議の質疑を要求することを「つるし」にかけるといい、本会議質疑が行なわれるか「つるし」がおろされるかしない限り委員会には付託されず、質疑がされません。

    これまで、野党が議員立法を提出しても、多くの場合与党が「つるし」をかけて、質疑が行なわれないまま廃案という事態でした。逆に野党が「つるし」にかけた場合は、与党が議院運営委員会の多数決で委員会に付託を強行することも行なわれてきました。

    参院では議院運営委員会でも野党が多数になりましたから、これまでのような与党の横暴が通用しなくなくなりました。しかし、与党としては野党の提出した法案を参院で質疑し可決するような事態にしたくありません。そこで、この間の日程協議では「引き伸ばし戦術」に出ているようです。

    代表質問、予算委員会が終わると各委員会で大臣の所信を聞き、それに対する質疑を行なってから法案の質疑に入るというのがルールです。そこで、参院での所信質疑をできるだけ先延ばしし、民主党提出の法案の質疑になるべく入らないようにするのです。

    各委員会の理事懇では、野党側が「予算も終わったので、委員会の定例日である18日に大臣の所信を聞き、23日に質疑を」と提案するのですが、与党があれこれの理屈をつけて先延ばしし、23日に質疑が行なわれるのは2つの委員会だけ。これまでの国会では、与党が悪法ごり押しのために審議促進を主張し、野党側が日程協議のなかで抵抗し、審議入りを先延ばしするという図式が多かったのですが、まったく逆の事態となっているのが今の参院です。

    年金流用禁止法案についてはやっと与党が「つるし」をおろして、厚労委員会に付託されることになりましたが、他の法案はまだ目処が立っていません。こうした事態の元で、野党国対がひんぱんに開かれるようになっているのも今国会の特徴。今日も、年金禁止流用法案への協力を求めて野党国対が開かれました。

    国民の力が政治を動かすことができる新しい国会。国対委員長としてもやりがいを感じながらの毎日です。

   京都に戻る新幹線の中からの発信でした。



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