●井上メルマガ('07/9/25) 両院協議会
井上さとしです。
今日の午後、衆参本会議で首相の指名選挙が行なわれましたが、両院での議決が分かれたため、首相指名としては9年ぶりの両院協議会が開かれ、私も日本共産党を代表して参加し発言することができました。
両院協議会は衆参それぞれ10人で構成されます。残念ながら今の党議員団の人数では、選ばれないと思っていましたが、この10人は参議院の議決を代表する会派から選ばれることになっています。こんなことご存知でしたか? つまり、参院では決戦投票で小沢氏に投票した野党のみから選ばれ、衆院では福田氏に投票した与党のみから選ばれるのです。
その結果、参院での会派別割り当てはドンと方式で民主9、共産1となります。さらに野党の共同を鮮明にするためにと民主党の枠が社民、国民新党に譲られ、民主7、共産、社民、国民新党各1という構成になりました。
共産党からは私が協議に参加することになりました。衆参それぞれが、各院での首相指名選挙での議決内容を報告、その後、協議に入りました。私も発言にたち、首相指名は直近の選挙で示された民意にそって行なわれるべきものであり、参院選挙で示された自公政治ノーの審判に従うべきだと主張しました。
両院協議会の議決は3分の2以上の賛成が必要なので、成案は得られません。その場合、首相の指名については衆院の議決が優先するため、福田氏が首相になることが決まりました。憲法に直接定められた2院制の手続きに参加できたことは憲法の重みを直接実感できました。9年ぶりに開かれたこの協議に参加できたことは、得がたい経験であり、与野党逆転国会のもとでの参院での存在感を実感することができました。
参議院側は、両院協議会に参加するは初めての議員ばかり。一つひとつが初めての経験です。たとえば、両院協議会の議長を衆参のどちらが務めるかは、開会前のくじ引きで決めます。国会の重要な役職をくじで決めるのも面白いですね。参院での打ち合わせのときに、そのくじを見せてもらいました。上面に穴があいた漆ぬりの木の筒にやはり漆で塗られた棒が2本入っており、片方の先端に「当選」と書いてあるものです。
大変立派なくじですが、両院協議会の議長選任に専用のものであり、こんど使うのは9年ぶりというのですから、いささかもったいない話です。事務方に「たとえば参院議長の選挙で同数になった場合などにも使えないのですか」と訊くと、なんと「議長選挙用は別に用意してあります」とのこと。赤玉と白玉を引く方式だそうですが、こちらは現憲法下で一度も使われていません。へえ〜〜。「トリビアの泉」に応募したら話題になりそうですね。
さあ波乱に満ちた臨時国会の第二幕が始まります。早期の解散総選挙と、本物の新しい政治の実現へ。がんばります。
◆e-mail address: ご意見・コメントは下をクリックして下さい
『スパーク』へ意見・コメントを送る