●井上メルマガ('07/9/10)   嗚呼、政権末期

  井上さとしです。

  安倍改造内閣が発足してはじめての国会が始まりました。参院選挙後、初めての本格論戦の行なわれる国会でもあります。

    今日は14:30からの本会議で安倍首相の所信表明演説が行なわれましたが、本会議の雰囲気はやはりこれまでと相当違います。予鈴がなって、ほぼ全議員が着席した頃に議長が入場してきます。これまでは自民党席から拍手が上がっていましたが、こんどは民主党出身の議長ですから民主党席から割れんばかりの拍手です。本会議の始まり方がこうですから、なんとも与党席は元気がありません。

    もっと元気がないのが安倍総理。演説の時の声にも表情にも覇気が感じられません。今日の早朝にAPECから帰ってきて、休むまもなく国会ですから疲労もたまっているのでしょう。しかし、この日程を提案してきたのは与党ですから同情の余地はありません。

    だいたい、「反省すべき反省する」といっていた総理ですが、今日の演説では、性懲りもなく「戦後レジュームからの脱却」や「美しい国」という言葉が使われ、相次ぐカネと政治の問題についてもひとごとのような言い方でした。

    「こりゃだめだ」と思ったのは、これだけではありません。総理の演説原稿は事前に手に入りますので、原稿を見ながら演説を聴くことになります。すると、なんと総理は2行もよみとばすではありませんか。

    飛ばした部分は「(地球温暖化問題が)来年開催される北海道洞爺湖サミットで、さらなる前進が得られるよう、引き続き、リーダーシップを発揮してまいります」という下りでした。野党席からは最初、「読み飛ばしたぞ」「そんなことでいいのか」と野次が飛びかいましたが、途中で、「来年のサミットまで安倍内閣もたないということだな」という声が上がると、野党席も納得。「わかった。サミットは自分でやらないんだな」「いつでもやめていいぞ」との声が飛び買いました。

    結局、総理は読み飛ばした部分はそのままで演説を終えました。昨日、自衛 隊の給油活動が継続できなかった場合の退陣を示唆した総理に対し、自民党内からも「戦略鳴き暴走だ」「会見映像を見ていると(首相は)精神的に不安定な感じ。辞めるつもりじゃないか」などの声が上がっています。嗚呼! 政権末期。

    波乱の国会が幕開けです。



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