●井上メルマガ('07/6/4)  消えた年金

  井上さとしです。

    今日の本会議で社会保険庁解体法案の趣旨説明質疑が行なわれ、「消えた年金」問題で激しいやり取りとなり、議場内はしばしば騒然としました。

    まずひどいのが、与党の出席状況。本会議開会時は全体で242人中152人。特に自民党は、最高時でも70人に足りず、3分の1が欠席ということになります。様々な法案の中でも与野党で「重要広範議案」と指定したものは、本会議に総理が出席して答弁します。

   この法案も重要広範議案と位置づけられており、明日から総理がサミットでいなくなるために、与党が今日の審議入りを求めたという経過です。にもかかわらず大量欠席。内閣支持率の急落に危機感を持ち、選挙区周りをしている議員が大半のようですが、そもそも議員としての資格が問われます。

   内容もひどい。総理は答弁の中で、宙に浮いた5000万件分を1年以内に調べるといいましたが、その手順などはあいまいなまま。10年間かけてできなかったものがなぜ1年以内でできるのか。今からソフトを開発するというのですから、空手形にならざるを得ません。

   さらに社会保険庁の「親方日の丸」の体質がこうした事態をつくったとして社会保険庁の解体を強調します。しかし、「親方」というのは総理であり、厚労大臣ではないですか。「点に唾する」とはこのこと。だいたい、解体してしまえば、今の「消えた年金」に対する国の責任も消してしまうだけです。国民の不安にも願いにも何も答えない内容でした。

    公明党の質問もひどかった。年金統合の制度設計をした時の厚生労働大臣は菅直人民主党代表代行だ、と名指しで批判しました。しかし、この10年間で一番長い間厚労大臣をしていたのは公明党の坂口力議員です。自分の責任は棚に上げ、責任を他になすりつける。実に見苦しい。自民党も恥ずかしくて本会議場ではいえないようなことを堂々と述べ、悪政の推進役となっているこの党の姿にはあきれます。

    この法案は明日の厚生労働委員会で本格的審議に入ります。日本共産党は、国民の皆さんの不安にこたえ、解決策を示してがんばります。



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