●井上メルマガ('07/2/19)   問題発言を生む機械?

  井上さとしです。

    「女性は産む機会」の暴言が大問題になった柳沢厚労大臣。この人は「問題発言を生む機械」ではないか、と思ってしまいます。こんどは、2月7日の予算委員会で、「なぜ、産科の医師が減っているのか」と聞かれて「出生数当たりの医師の数が減っているわけではない」「出生数の減少で、医療ニーズがはっきり低減していることの反映と承知している」と答弁したのです。

    2月16に京都府立体育館で8000人を集めて開かれた演説会で、私は、この答弁を紹介し、厳しく批判しました。だいたい、現実を少しでも知っていたら、こんな発言がでるはずがありません。京都の北部では、産科医不足で、子どもを産めない町、ふるさとになっていることが大問題になっています。

    先日、岐阜の中津川市の演説会に行くと、隣の恵那市の公立病院が医師確保が困難になって産科を閉鎖したために、中津川の公立病院に出産が集中することになり、その結果、中津川の病院は4月から里帰り出産を受け入れない方針を発表したことが、大問題になっていました。全国でこんな事態が生まれているのに「医療ニーズが減っている」などとどうして言うことができるのでしょうか。ひどすぎます。

    演説会の翌日の朝日新聞に、この柳沢答弁が「産科医の反発を呼んでいる」という記事が出ていました。「訴訟リスクの高まりや24時間態勢の過酷な勤務に触れなかったのが理由だ」「医師らの間には『このような認識では有効な対策がとられない』などの批判が広がっている」という記事です。

    当然の怒りの声です。やっぱり、柳沢大臣は辞めるしかありません――前号のメルマガと同じ結論になってしまいました。



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