●井上メルマガ('07/1/31) 求心力がみるみる…
井上さとしです。
今日で、衆参本会議での代表質問が終了。金曜の施政方針演説の後に起きた柳沢厚労大臣の「女性は産む機械」発言で安倍政権の支持率低下に拍車がかかる中での代表質問でした。この数日で、安倍総理の求心力が自民党内でみるみる衰えているのが本会議場の様子にもはっきり表れました。
昨日の代表質問で自民党の青木参院議員会長は、安倍総理が「格差」ということばを避けていることをやんわり批判しつつ、一応のエールを送りました。 小泉総理前総理は、こうした辛口のエールにも、「率直な激励にこたえてがんばる」とかアドリブで答えたものでした。ところが昨日の安倍氏は、官僚が用意した答弁書を読むだけでエールへの返答は一言もなし。
私は議場内で、「安倍さんは、青木さんに対してあんなそっけない答弁でいいのかね〜」と話していましたが、案の定、今朝の新聞には青木会長や片山参 院自民幹事長の不満のコメントが出ていました。それに加え、柳沢大臣罷免を求める国民世論が日に日に広がっているにもかかわらず、総理の対応がまずいことにもイライラが広がっているようです。
そのことを象徴するのが今日の本会議開会時の出来事でした。本会議に総理が出席するのは施政方針や所信表明に関する審議や重要法案の審議などに限られ、年間でもわずかしかありません。特に今日のような本会議では、全閣僚がひな壇に座った後、最後に総理が着席します。小泉総理の時は、入場してくると自民党の議席から拍手があり、「総理〜」という掛け声がかかることもしばしばでした。
ところが今朝は違いました。ひな壇に閣僚が揃っても、自民党席は立ち話をしている議員や後ろの席と話をする議員などでざわついたまま。総理が入ってきてもそれは変わらず、拍手の一つもありませんでした。求心力ゼロ。その後、扇議長が入ってくると、あてつけるかのような大きな拍手。こんな光景は初めて見ました。
参院自民にすれば、当選回数も少なく実績もない安倍氏であっても、「参院選挙の顔」になるからと、その人気をあてこんで総理に押し上げたのに、とんだ当て外れ。相次ぐ不祥事、肌身に感じる格差の拡大に加え、女性の支持さえ失う事態に危機感を募らせているのでしょう。
とはいえ、安倍政権が直面している問題はいずれも自民党政治そのものが引
き起こしていること。自民党が、参議院選挙を乗り切るためにどんな策を弄し
ようとも、厳しい審判を下すしかありません。予算委の論戦に全力をあげます。
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