●井上メルマガ('07/1/27)   政府四演説を聴いて

  井上さとしです。

    いよいよ166通常国会が開会。今日、衆参の本会議で安倍総理の施政方針演説をはじめ政府四演説が行なわれました。その終了直後、政治資金の不正疑惑がかけられている角田参院副議長が辞任を表明。波乱の幕開けとなりました。

    今日の本会議の様子を紹介しましょう。まず、出席議員が少ない。開会時は191人でした。参院議員の総定数は242人で、出席が200人を切ることはめったにありません。演説の途中に退席する議員も多く、特に与党席は終わりごろはガラガラ。政権の求心力の無さを感じさせました。

    安倍総理の演説は、愛国心教育や「美しい国」作り、改憲などの部分では声を張り上げますが、それ以外は課題を羅列した官僚の作文の棒読みで、国民の暮らしのことを慮るような気持ちは何も伝わってきません。一方で、横文字の多様と哲学の感じられない薄っぺらな言葉は相変わらずです。臨時国会で使った「人生二毛作」ということば、あまりにも不評だったのか、今回は無し。

   しかし、「イノベーション」「アジア・ゲートウェイ構想」「カントリーアイデンティティ」「戦後レジーム」「オープンな姿勢」などの言葉は今回もちりばめられました。「筋肉質の政府」というのは、贅肉をおとした無駄ない政府という意味のようですが、ほとんど話題にならなかったのに、臨時国会に続いて今回も使ってました。

    総理は冒頭、「憲法を頂点とした…基本的枠組みの多くが、二十一世紀の時代の変化についていけなくなっている」「直面している様々な変化は…テレビ、冷蔵庫、洗濯機が三種の神器ともてはやされていた時代にはおよそ想像もつかなかった」とのべました。

    ここですかさず、わが党の仁比議員が「憲法は洗濯機じゃないぞ!」と野次。タイミング、声の大きさ、内容のいずれも素晴しい。民主党の席からも共感の声が上がっていました。今日の野次の中の最優秀賞をあげたいと思います。

    さて、議場内が一番騒がしくなったのが、太田経済財政政策担当大臣の経済演説の時。竹中前大臣の弟子といわれている人だけに、相変わらず大企業の視点だけが目立ちます。特にひどかったのが次のくだりです。

    「人口減少社会において目指すべき成長の姿は、家計を起点とした好循環です。イノベーションや規制改革によって、新しい商品・サービスが提供され、消費需要が作り出されれば、それは質の高い雇用を生み出すことにもつながります。消費者の視点から供給サイドの大胆な改革を行なうこと、すなわち『消費革新』を行い、家計を起点とした成長の姿を作り出すことが重要です」

    つまり、消費需要が冷え込んでいるのは、新しい商品やサービスが不足しているからであり、供給側=企業を応援すれば好循環が生まれるというのです。いつまでこんなことをいい続けるのでしょうか。こういう供給側にたった経済政策の結果、大企業は空前の儲けを挙げる一方、国民の中には貧困と格差が拡大しているではありませんか。

    消費需要が冷え込んでいるのは、商品やサービスの不足のためではなく、相次ぐ負担増と増税、非正規雇用の広がりによる収入の減少と将来不安の拡大のためです。それをもたらしてきたこれまでの政策にひとかけらの反省もなく、破綻した路線を続ける――この政権に国民の未来は託せません。



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