●井上メルマガ('06/11/25) うれしい反応
井上さとしです。
参議院での教育基本法の審議が始まりました。教育基本法特別委員会の日本共産党の枠は一人だけで、文教科学委員である私が所属する事になりました。
さて、委員会初日の22日は総理出席のもとでのテレビ入りの総括質疑。15分という短い時間のなかで、参院での最初の質問として何を取り上げるか、色々と議論しました。当初は、「やらせ質問」や 高校未履修の問題での政府の責任を追及する、現行10条の改悪による教育への上からの統制の強化をただす、などなどテーマが上がっていました。
最終的にまとまったのは、「国民の今一番の関心事である未履修やいじめの問題が教育基本法改悪でどうなるかを論じながら、日本共産党が教育のあり方についてどう考えているかが良く分かるような質問にしよう」ということ。ですから、用意していた原稿は急遽とりやめ、直前に集中して準備する事になり、正常化のための国対委員長会談などと重なりなかなか大変でした。
質問のキーワードは、現行教育基本法の2条で、教育の目標として掲げられた「人格の完成」です。いじめや未履修問題もこの目標からはずれ、テストの点数を中心とした競争と選別の教育が行われてきたなかでおきたことを指摘しました。そして、政府案にも「人格の完成」は受け継がれていますが、実際にやろうとしていることは一層の競争教育であり、それが学校現場に何をもたらすかを明らかにしました。
具体的にあげたのは一斉学力テストと学校選択性をすでに実施している東京のある区の例。学校間の平均点競争のために補習で「過去問」を何度も繰り返し、「できない子」がいたたまれなくなりテストの日は休むケースも。そして、パネルも作って示したのが、学力テストの補充授業のために運動会や学芸会、林間学校などが縮小・廃止されている中学校の実態です。
「人格の完成」のために欠かせないこうした特別教育が廃止・縮小されてもいいのかと総理をただすと「大切な教育の機会だ。学力テストの補習のためになくなるのは良いことではない」との答弁。教育現場で苦労されている皆さんにとって今後の改善に役立てることのできる答弁になりました。質問後、自民党の議員からも「あの区はちょっと異常だよね」という声がかかりました。そんな異常な事態を全国に広げるような教育基本法改悪は許してはなりません。
また、「子どものことを真面目に考え、論じている姿勢がつよく感じられました」「遠足や文化祭も廃止・縮小されている実態に驚きました」「素人にもわかりやすい質問でした」などのメールもいただきました。ありがとうございます。
質問の夜に妻から電話。小6の娘と一緒に質問のビデオを見たとのこと。私が質問のなかで、それぞれの個性を生かすことが必要であり、「計算は苦手でも、じっくり考えるのは得意という子もいる」と述べるのを聞いたときに、娘が、「私のことや。お父さんは見てくれてる」と喜んでいたと、話してくれました。
一番うれしい反応でした。
子どもたちの未来のために、廃案に向けてがんばります。
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