●井上メルマガ('06/10/13)   安倍総理と初対決

  井上さとしです。

    昨日は、参院予算委委員会で安倍総理との初の論戦に立ちました。NHK中継を見ながら応援してくださった皆さん、ありがとうございました。

    何しろ前日の昼前に急遽、集中審議が決まって私が質問に立つことになり、そこから資料を集め、衆院の審議を聞きながら読み込み、本格的準備に入ったのは夕方。質問が始まるギリギリまで原稿を直していました。テレビ中継のある質問でこんな短い準備期間はもちろん初めてです。

    さて、安倍総理と初めての論戦をしての感想を述べます。答弁の政治的評価については赤旗でお読みいただくとして、答弁態度に関しての感想です。

   第一.威圧感は小泉総理とかなり違います。他の委員会は円卓式で、答弁者と質問者の距離はかなりあります。ところが予算委員会が行なわれる第一委員会室では答弁者は目の前。初めて、第一委員会室で質問した時はどぎまぎしました。あの距離で向き合って論戦するのですから、いわば「気合負け」しないことがとても重要になります。

   その点、小泉総理は、目線をそらさずににらみながら答弁しますから、かなりの威圧感がありました。こちらもにらめっこしながら答弁を聞きます。ところが安倍さんは、あまり目をあわせようとしません。むしろ、目線がきょろきょろ動きます。声もそう大きいほうではありませんし、語尾がはっきりしない時もあり、威圧感はかなり落ちます。

    二つ目。安倍総理の答弁態度は小泉さんよりはるかに誠実です。小泉さんは、わざと論点をすりかえたり、「共産党とは考え方が違う」といってまともに答弁しなかったり、まともに論議を深めようとする姿勢が見られないことが多々ありました。

    その点、安倍総理は、内容はともかく、こちらの質問にきちんとかみ合わせて答弁しようとする姿勢が感じられました。たとえば、「道理を説く」というのは、我が党が多用する言い方ですが、昨日質問で私が「まともな外交関係こそ北朝鮮の安全と平和の保障になることを道理をもって説き、分からせることが大切だ」と質問すると、総理は、「北朝鮮に対して、道理を理解するように我々も努力しなければならない」と同じ「道理」という言葉を使って答弁しました。口調がうつったかな、と半分笑いそうになりましたが、きちんと質問を受け止めている証だと思います。

    もう一つ。うわさには聞いていましたが、やはり短気だということ。昨日の委員会では民主党の議員が週刊誌に掲載された安倍氏批判の記事を使って質問をした時、急に激高し、「いちいちコメントする必要もないもの」「失礼だ」と声を荒げ、ちょっとびっくりしました。また、社民党の党首が「総理はぐちゃぐちゃいうが…」という言葉を質問で繰り返したときも、「丁寧に説明しようとしていることをぐちゃぐちゃとは不真面目だ」と声のトーンをずいぶん上げて反論しました。どうも、自分のプライドが傷つけられたと感じた時に、押さえがきかなくなるのかなと思いました。

    総理になったとたん、自らのこれまでの歴史認識や行動を封印したかのような安倍氏ですが、今後、本音を出すことも考えられますし、なによりも憲法や教基法改悪の姿勢は崩していません。今のような答弁態度も最初だけなのかどうかは分かりません。いずれにしても、この政権の狙う危険な方向ははっきりしています。正面から対決してがんばります。



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