●井上メルマガ('06/09/19)   ゴングは鳴るが…

 井上さとしです。

    明日は自民党の総裁選挙。テレビ・新聞はまるで自民党の機関紙かと思うほど、三候補について報道していますが、ちっとも盛り上がらず、議員会館周辺にも熱気は感じられません。三人とも小泉内閣の主要閣僚で主張にほとんど違いがなく、しかも安倍氏の圧勝が伝えられているからでしょう。むしろ、自民党内が熱気を帯びるのは人事の争いになりそうです。

嗚呼、徹頭徹尾、国民不在…。

    さて、9月5日付けの朝日新聞に、「vs小沢、はやゴング」という記事が出ていました。安倍、小沢両氏の対決が始まっているというものですが、これがなかなか面白い。

    この記事ではまず、小泉総理が、民主党と亀井静香氏との連携に関して「(民主党は)すっかり昔の自民党になった。だから、昔の自民党と新しい自民党の闘いになる」とのべています。一方、同じ記事の中で、民主党の菅代表代行は、「安倍は保守亜流、今や保守本流は民主党だ」と語っています。

    あれっ?つい半年前は「改革競争をする」と言っていたのではないでしょうか。それが、今やお互いが自民党政治の本流争いをいいあっているではありませんか。「カーン」――対決のゴングが鳴っても、上がったリングは自民党政治というロープで囲まれている、というわけです。

    二大政党政治とは保守二大政党にすぎない、という私たちの指摘を当事者が認めたことになります。これでは政治は変わりません。確かな野党の出番。今、臨時国会に向けて論戦対策や国民的運動の発展めざし、連日、調査や懇談、会議を重ねています。さあ、いよいよです。



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