●井上メルマガ('06/08/17)   8月15日の誓い

 井上さとしです。

    厳しい残暑が続きますが、お元気でしょうか。八月に入り、メルマガがご無沙汰になり、申しわけありません。

   さて皆さんは、お盆はどう過ごされたでしょうか。

    私は、墓参りに、広島県三次市の実家に帰りました。その十五日の午前中。娘が「ふるさとの風景」をテーマに写生をするというので、一緒に山の斜面にいたときのことです。「ゴー」という異様な音が聞こえてきました。びっくりして空を見ていると、戦闘機が尾根のすぐ上を通り過ぎていきました。それを追うようにさら大きな音が静かな山里に響き渡りました。

    米軍の低空飛行訓練です。この地域は米軍の「ブラウンルート」という訓練コースに当たっており、事前予告も無く、日本の国内法も守らない低空での訓練が繰り返されてきましたが、その場に遭遇するのは初めてのこと。戦闘機の音を身近に初めて聞いた娘は、「事前におばあちゃんのところにお知らせがあったの」と聞きます。「米軍は何も知らせずに、訓練をやるんだよ」と応えると「悪ぅ」と一言。子どもが考えてもひどいやり方です。

    それにしても、終戦記念日でお盆の真っ最中の静かな日にまでこんな訓練を行う米軍の傍若無人さ。七月に行った議員団の沖縄基地調査での憤りがよみがえってきます。このアメリカに何でも唯々諾々と従う政府のもと、米軍再編強化には三兆円もの税金が投入され、自衛隊と米軍の一体化が強化されようとしています。許しがたいことです。

    おりしもこの日の早朝には、小泉総理が靖国神社を参拝。二千万人ものアジアの人々の命を奪った侵略戦争への認識という国家間の関係の土台になる問題をあれこれの一つにすりかえ「一つの問題で意見が違うから首脳会談をやらないというのはおかしい」といってのける総理の記者会見にはあきれ果てました。

    侵略戦争に国民を駆り立て、あの戦争を正義の戦争だとする靖国神社に総理が参拝することがどういう意味を持つのか、そのことが侵略戦争で命を奪われた国の人々の心をどれだけ傷つけるのか。この総理には、相手に与えた「痛み」というものを感じる心があらゆる面で欠けている、と思わざるを得ません。

    侵略戦争の正当化にもアメリカいいなりの政治にも怒りを燃やし、この異常な政治の転換を誓った八月十五日でした。



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