●井上メルマガ('06/07/29) ダイヤモンドの輝き
井上さとしです。
念願がかないました。山中温泉観光協会会長の上口昌徳さんと懇談する機会を得たのです。上口さんは、元自民党石川県連幹事長で県議会議長も務めた方ですが、「九条の会・石川ネット」の呼びかけ人になられ、今年の憲法記念日の石川集会でスピーチにたたれました。そのお話が大きな感動を呼んだことを「赤旗」で読んで以来、ぜひ、お会いしたいと思っていた方です。豪雨で被害を受けた同じ加賀市の片山津温泉に28日に現地調査に入った機会に、上口さんの経営される旅館をお訪ねして懇談することができました。
上口さんはS20年7月19日、福井の空襲で山中温泉の南の夜空が真っ赤に燃えたのを見ました。その時、福井には親戚9人がおり、奇跡的に助かった2人のいとこ以外、みな行方不明になりました。「その悲しく厳しい思い出は、口にすることさえできず60年間封印してきた」という上口さんが、その封印を解いて、集会で話されたのです。
上口さんは、「戦争が終わったとき、憲法の中にダイヤモンドのように埋め込まれた九条を私たちは文句なく受け入れてきた。自民党の中で青春を過ごしたが、この憲法を改正しようなどと考えたことは一度もなかった。それがいつからこのような不安な状態になったのか」と話され、「『野に直言なき国家は滅びる』。少数派がこの危機の時代を正しい方向に切り開くのです。皆さんと思いを共有し、勇気を持って進んでまいりたい」と呼びかけられました。
私は、「このお話の『赤旗』記事を読んで以来、ぜひお会いしたいと思っていました」と懇談のお礼を述べました。上口さんは大変、歓迎してくださり、1時間近くも話し込んでしまいました。
上口さんは、常連の泊まり客であるスイス人から、「ダイヤモンドのようなすばらしい九条をなぜ、日本は誇りにしないで、変えようとするのか」と問われて言葉に窮したことを紹介されながら、「石川ネット」の呼びかけ人に加わった思いをお話してくださいました。話は、さらに地域づくりのあり方にも及び、「温泉にある『総湯』も、もともとは『惣』の湯という意味だった」とのべて、地域の共同体の大切さを強調されました。小泉構造改革のもとで一番、壊されたものです。
最後に「『野に直言なき国家は滅ぶ』という言葉は、確かな野党としてがんばる私たちへの大きな励ましです」とのべると「正義の味方としてがんばってください」と握手をしてくださいました。
真剣に平和のこと、地域のこと、いのちのことを考えている人々との共同が確実に広がっています。
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