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2008年8月14日(木)「しんぶん赤旗」

成果主義 賃金反映に84%反対
全医労調査 “医療に支障”


 全国百四十六の国立病院に四月から賃金への反映を延期して導入された「業績評価制度」(成果主義賃金)について、「賃金に反映すべきでない」と考える職員が84%に達することがわかりました。アンケートを行った全日本国立医療労働組合(全医労)が中間集計しました。
 国立病院機構は四月、個人目標の達成度などを評価し、賃金に格差をつける成果主義賃金を導入。この制度に対し、全医労は、職員が協力し合うチーム医療を壊し、患者サービスの低下や安全・安心の医療を危うくするとして導入に反対しました。全医労の前回のアンケートでは九割の職員が導入に反対を表明し、機構側を追い込みました。中央労働委員会の三月のあっせんにより、評価を賃金に反映させる時期は十月以降に延期するとともに、評価制度の問題点を検証する労使協議を行うことになっています。
 成果主義賃金がチーム医療を壊す問題点について、評価結果を業績手当(一時金)や昇給に「現状では反映すべきでない」と答えた職員は51%、「賃金反映に反対」が33%で、84%が反映しないよう求めました。一方、「反映させるべき」は、わずか13%でした。
 職員からは、「チームワークで行う医療機関に点数による評価制度は導入すべきでない。私的感情が入り、公平に評価できるとは思えない」「理由があって超勤しても『超勤すると評価が下がる』と看護師長に言われた」などの声が寄せられました。
 全医労は、評価制度の導入に伴って評価に時間をとられ、患者サービスの低下を招くと批判しています。この問題では、「本来業務に支障がある」との回答は46%。「意欲の向上や医療・看護の向上につながらない」との指摘が47%を占めたのに対し、「つながる」は12%でした。「スタッフ間でギクシャクした雰囲気が生じた」「評価制度にかける時間を患者さんのためにかけるべき」「評価者の主観的な評価でかえって意欲が低下する」との声が上がりました。
 評価の公平・公正さが求められるにもかかわらず、評価結果が記された評価シートが未開示扱いにされていることについては、「開示すべき」の意見が88%を占めました。評価の苦情に対して上司ら評価する側が対応するという、苦情処理とは呼べない問題については、92%が「制度を整備すべき」としました。
 機構側は導入にあたり、評価制度の説明を十分に行ったと説明してきましたが、「(賃金反映の)具体的に説明がなかった」が58%。ヒアリングについても、13%がなかったと答え、「目標シートを何度も書き直された」「たった一、二分でヒアリングといえるのか」「ヒアリングの間は患者さんの対応を他の職員がやらなければならず、結局、患者さんにしわ寄せがいく」との声がありました。
 全医労は、評価制度の撤回を求め、五月から署名に取り組んでいます。
 職場の賛同が広がっており、ある病院では、産休・育休中や医師ら全職員に協力を呼びかけ、84%の職員から集まっています。

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