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2008年1月10日(木)「しんぶん赤旗」

トヨタ過労死 もう出さないで
労働者の妻・内野博子さん 厚労相に涙の訴え
厚労相 「働く人の権利守る」


 「過労死を二度と繰り返さないでください」―。トヨタ自動車堤工場(愛知県豊田市)で働いていた内野健一さん(当時三十歳)の過労死を国に認めさせた妻の博子さん(38)が九日、厚生労働省内で舛添要一大臣に会い、二度と過労死を出さない対策をとってほしいと訴えました。
 名古屋地裁は昨年十一月、自主活動とされていた「QC(クオリティーコントロール)サークル活動」についても労働時間と認め、亡くなる直前一カ月の残業時間が百六時間四十五分にのぼっていたと判断。業務外とした豊田労働基準監督署の決定を取り消し、過労死と認める判決を出しました。国は控訴を断念し、判決が確定しています。
 過労死を生む違法なサービス残業の根絶など、企業に対する指導強化を要請しました。
 要請には、日本共産党の小池晃参院議員、佐々木憲昭衆院議員、八田ひろ子元参院議員(衆院東海ブロック比例候補)、水野幹男弁護士が同席しました。
 博子さんは、「六年前に夫が亡くなり、子どもは一歳と三歳で大変でした」と涙ながらに語り、二度と過労死を出さないでほしいと訴えました。
 舛添厚労相は「本当にご苦労でした」とのべ、「働く人の権利を守っていかないといけない。引き続き改善していきたい」と表明しました。
 小池議員は、世界展開するトヨタの過労死で日本政府がどんな対応をとるのか国際的にも問われていると指摘し、「過労死を二度と繰り返さない指導を」と要請。舛添厚労相は、「企業の社会的責任もある。引き続き努力する」とのべました。
 博子さんはまた、遺族年金の算定で判決が認めた残業時間を除外していることを指摘し、是正を要求。佐々木氏が「判決で確定した労働時間を算定に入れるべきだ」と求めたのに対して舛添厚労相は、「調査したい」と答え、同席した担当者に指示を出しました。

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