"影におびえる者" 完 (part6)


親睦会をスパイせよ

 人事部副部長は浜名湖研修所での班長既任研修という秘密教育で次のように言っています。
 『昭和30年頃、28年-29年入社した高卒の者が読書会を開いていた』『昭和47年に若人会という10人ぐらいのサークルがあった』これは昭和25年の争議後、従業員の自主的なサークルや親睦組織が会社の系統的なスパイ・監視対象になっていることを示しています。そしてその情報が人事部の最高機密として何十年も大切に保官されていることが担当者の言葉としてリアルに語られています。ああ怖い。
 そういえぱ以前、本杜生技部でこんな事件がありました.社外の若い女の子も混じった『すみれ会』というクリスマスパーティをやったり飲んだり、あるいはスキーに行ったリするまった<“軟派の親睦組織がありました。これをかぎつけた人事は、何か”あやしい"組織ではないかとかんぐり、調ぺに来たことがあリました.まったくありがた迷惑だと皆がぼやいていました。
 会社の人事については、いろいろなことを聞きます.『人のあら探しぱかりしている 『あんな所に長くいると、人を信用できなくなるんじゃないの。性格もいじけちゃうよ』 『飲み屋で人事の者に会うと酒がまずくなる』本当になるほどということばかりです。こんなことが世間に知れたら人が集まらなくなるでしよう。
 これまで六回にわたって連載してきたこのシリーズはこれで筆をおきます。会杜がいかに憲法と人権を無視したひどい事をやっているかを当事者の言葉と事実で示してきました.
 これはまた、強いように見えても人類社会の正義と公理に反した行為の実行者が、常識を持って4万人の従業員とその切実な願い実現の先頭に立って闘う共産党の影におびえる孤独で哀れな姿といえます。