"影におびえる者" (part5)


『ちょっとでも共産党らしい者は全部遠い所へ飛ばした」
人事部副部長は浜名湖研修所での係長に対する秘密教育で次のように言っています。「昭和28年〜29年に入社した高卒の者が読書会を開いていた。また共産党のことをやっていたので福岡の営業所へ飛ばしたら、退社したやつもいる」「以前にスパークの内容が良<なったと思っていたら、犬学卒の者が編集するようになった。まあ、この人間は少したってから外国へ飛ぱした」『今まで共産党らしい者は全部遠い所へ飛ぱした、これはすべて、うまくいった」『共産党員が配転問題で労働組合に相談に行くと言うので、さっそく人事の方から組合の方へ手を回して、うまく処理させたこともある』。
 ここでは、会社の人事政策が労働組合と結託した"島流し"の道具となっていることが露骨に語られています。
 会社にとっては、相手が共産党員であるかどうかということはどうでもよいことなのです。少しでもまともなことを主張する者に対しては、非人間的な鬼のようなことを平気でやるという恐るべき体質を示しています。
 スパーク発行責任者に対しても、米国のテクニカル・センターへ飛ぼそうと猛烈な攻撃がかかづてきましたが、断固拒否し、その卑劣な企みを粉砕しました。この時、労働組合へ相談に行ったら、三役がそろって会ってくれたのは良いけれど、その返事たるや会社と全く同じだったことが強く印象に浅っています。