ヨコハマに隣接する古都鎌倉。我が家からも近いということのほか、私が鎌倉を好きな理由は、ロケーションの良さと、それからくる適度の規模性です。                        
 まち全体が緑濃い丘陵に囲まれ、その中に大小120か所を超える寺社が点在する鎌倉ですが、前面を相模湾のおだやかな海に面しているため、古めかしさだけでなく、何となく明るい伸びやかなまちの印象があります。

 まちが大きくないため、京都のように、駅前に巨大なビルが立ち並ぶこともなく、また、奈良のように郊外に全国チェーンの洋服店やファミリーレストランなどが立ち並ぶといったこともありません。古都の中では、一番落ち着いた雰囲気が保たれているのではないかと思います。

 訪れる寺社のそれぞれに感じる、鎌倉時代から800年に及ぶ歴史の重み。様々な歴史のドラマに思いを巡らせ、豊かな緑と四季折々の花の中で過ごせる時間がこのまちにはあります。

 ヨコハマに居を定めて以来、折に触れて鎌倉を訪れ、ハイキングコースを歩いたり、古寺の仏像を拝観したり、庭園を眺めたりするのを楽しみとしていました。そして、数年前から、そのような鎌倉散歩の折々に出会った光景を写真に撮っておくようにしました。

 その幾つかが、ここで紹介するスナップです。テーマを「古寺と人の営み」としたのは、単に古い建物や景色だけでなく、そこに、現在を生きる人々のささやかな営みを重ねることにより、長い歴史を生き、また、今後も生き続けるであろう古寺の、現在の一瞬を切り取るという狙いがあります。

 写真撮影の高度なテクニックは何も持ち合わせず、また、ひとにカメラを向けることは結構勇気がいるものであることなどにより、コンテストに出すような写真は一切ないことをご容赦ください。少しずつ数を増やして行くつもりです。

円覚寺・午後 円覚寺・修行
北鎌倉・渡る 東慶寺・茶会
明月院・清める 明月院・東司
建長寺・見上げる 銭洗弁天・あぶる