我が家流・ホームステイの受け入れ方

 ホームページをご覧になった方々から、「ホームステイの受け入れをしたいが、やり方を教えて」というメールをたくさんいただきました。ご質問の多かった項目につき、あくまでひとつの参考として、我が家の例をQ&Aの形でまとめてみました。

1 どこから紹介を受けるか                                本文にも書いているとおり、我が家では(財)横浜市海外交流協会と横浜YMCAに登録し、紹介を受けています。
各地の事情は分かりませんが、市や県の国際交流の窓口、大学、日本語学校等に問い合わせれば、ホームステイのあっせんを行っているところが分かると思います。
 ちなみに、横浜市内では、次の窓口があります。
横浜市国際交流ラウンジ情報コーナー(Tel.045-671-7209)
横浜市コンベンションビューロー(Tel.045-221-2111)
横浜市国際学生会館(Tel.045-507-0121)
(財)神奈川県国際交流協会(Tel.045-986-2626)
※(財)横浜市海外交流協会は、財政事情等により、平成11年度からホームステイのあっせんを中止しました。
2 家が狭くても受け入れられるか   日本人がウサギ小屋に住んでいることは世界的に有名で、今さら気にしても仕方ありません。こちらが気にしているほどビジターは気にしていないもので、むしろ狭いところを楽しんでいる風にも見えます。
 我が家は2階建てですが、マンションの2LDKで受け入れをしている方もおられます。ただ、ビジターに独立して一部屋を提供できることは必須の条件だと思います。なお、和室でも全然かまいません。
3 英語がうまくなくてもよいか  仮に受け入れ家庭内に英語ができる人が一人もいなくとも、身振り手振り等で意志疎通は可能と思いますが、お互い疲れるし、満足度も低くなるので、その場合は、日本語学校の学生など、日本語学習中のビジターを受け入れるのが良いと思います。
 片言でも英語ができる場合は、受け入れ大いに結構です。ナマの英語の勉強になり、何日間かビジターが滞在していったあとは、少し英語がうまくなったような気がします。
4 食事の支度は大変でないか  我が家では、ビジター滞在中も基本的にはいつもどおりの献立です。夜は、和・洋・中のいずれかの料理を日替わりで、朝はトーストにサラダ等の洋風と決まっています。
 ただ、好きなおかずを選んで気兼ねなく食べられるよう、たいていの場合はおかずごとに大皿に盛って卓に置きます。また、寿司や天ぷら等、日本独特のメニューを作るときには、押し付けにならないよう、肉料理も併せて準備します。
 豚肉を食べないイスラム教徒や、それよりもさらにやっかいなベジタリアンなど、通常の料理メニューで対応できないビジターにはやや困らせられます。その場合は、本人に献立を考えてもらったり、場合によっては、作ってもらいます。
5 生活習慣の違いはどう教えているか  ビジターは、ホームステイのあっせん機関から、日本の生活習慣について予め指導を受けてきますので、それほど突飛な行動をとることはありません。それでも、玄関を上がったところ(土間の部分ではなく、板張りの部分)で靴を脱いだり、畳の部屋の座卓に腰を掛けたりするときは、一応注意します。
 日本人は(少なくとも私は)、シャワーや風呂は夕方入りますが、外国人はほとんどが朝入るなどは、向こうの習慣として、尊重しています。 
6 どんなところを案内するか  短い期間内に日本をよく知ってもらうために、古い日本と新しい日本とをバランスよく案内するようにしています。必ず案内するのは、鎌倉、少し足を延ばして日光です。ビジターは若い人が多いので、渋谷、原宿にも連れて行きます。
 新宿のカメラの量販店や、秋葉原の電気街を希望されるときもあります。このほか、近所のスーパーなどには必ず立ち寄るようにしています。
7 お金の支払いはどうするか  電車代や寺の拝観料など、個別に支出するときはビジターに出させるようにしています。ただ、本文にも触れていますが、寺の拝観料が何カ所にもなる場合など、若いビジターには負担が多くなり過ぎる場合には、払ってやる場合もあります。
 ビジターを案内していて、日本の物価高について考えさせられることがしばしばです。
8 ホームステイ受け入れの喜び、その他  ホームステイの受け入れを通して得られる喜びや収穫は、大きく二つあると思います。
 まず一つは、ビジターに、せっかくの日本訪問を有意義に過ごしてもらい、日本理解を深めてもらうためのお手伝いをするという、ボランティア活動に関わるものです。次に、ビジターの話を通して、ビジターの故国での人々の暮らしぶりなどを理解し、ビジターの故国との比較において日本のことをより深く考えるなど、国際理解に関するものです。
 まさに、ホームステイの受け入れは、相手にも喜んでもらえ、自分たちも楽しめる活動なのです。
 なお、ホームステイの受け入れを長く続けていくためのコツとしては、物心の負担にならないよう、ビジターに気を使い過ぎない、自分たちの暮らしぶりのありのままを見せる、ということが大切だと思います。