デジカメ随想(2) 「銀塩か、デジタルか」
私と同じBMW・R1150Rに乗っておられ、私のホームページを時々見てくださっている東海地方にお住まいのKさんから、このたび新たにアップしたデジカメ作品集「一日一葉」をご覧になった感想をメールでいただいた。
その中では、ライカやキャノンA1、T90(タンク)など、Kさん自身のカメラ歴や、「デジカメも持っているが、単なる記録用。銀塩にはやはりかなわない」といったご意見が書いてあった。相当のカメラマニアの方であるが、この「やはり銀塩」というご意見には、「そうおっしゃらずに、デジタル1眼レフを始めたら絶対にはまりますよ」と返信させていただいた。
アサヒカメラなど伝統のあるカメラ雑誌を見ると、最近はデジタルカメラのことにもかなり触れているが、まだまだ銀塩の記事の方が多く、ハイアマチュアのカメラマンは相変わらず銀塩派が多いようである。
実は私も、デジカメが一般的になる前は、銀塩カメラに凝っていた時期がある。
そもそも若い頃はニコマートという普及型のマニュアル1眼レフを持っていたが、子どもの成長を記録するようになってからはいつしかコンパクトカメラや8ミリシネマ(その後、8ミリビデオ)ばかりを使うようになり、子どもが成人してからやっとまた1眼レフに戻ったその頃である。
どういうきっかけかは忘れたが急にカメラに凝るようになり、出たばかりのニコンF5と交換レンズを買って、一人でカメラ雑誌の撮影会に参加したり、雑誌の月例コンテストに応募したりした。もっともその作品のレベルだが、いま考えると全く赤面の至りで、このところ「一日一葉」に出している程度のもので、もちろん入選にはカスリもしない代物ばかりであった。
アマチュアカメラマンにも適性というのがあって、例えばモデルの撮影会に行っても、ベテランというか適性のある人は、大勢の中から「○○ちゃんこっち向いて!、そうそう、その感じ!」などと大声を出して、モデルを自分の方に振り向かせ、にっこりと微笑ませたりするのである。私にはとてもそのようなことができず、その大声氏の近くにサッと寄っていって、モデルの視線のおこぼれを写す程度しかできないので、その頃の作品を見ると、結構きれいに写ってはいるのだが、モデルの目線が微妙にずれてばかりいる。
アサヒカメラ撮影会にて(1997年5月) |
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まあ、こんなことで限界を感じていたところに、重たいカメラ機材を運ぶために買ったスクーターがいつの間にやら大型バイクにまでなる趣味の転換があり、時が過ぎてしまった。
そして、時代はデジタルカメラに移っていったが、私がまたまた1眼レフカメラに戻ったきっかけは、普及型のデジタル1眼レフカメラが売り出されたからである。
2、3年前にデジタルのニコンD100が売り出された頃は、交換レンズも持っていることだし、よほどこれを買おうかと迷ったが、量販店でも20万円を越す売値は高いし、ニコンの交換レンズは重たくてかさばるので、ツーリングには持って行けない。もう少し軽いデジタル1眼レフセットが出てからと待っていたところに登場したのがキャノンイオスキッスデジタルというわけで、レンズとセットでもこれは本当に軽くて頑丈。しかも操作も出来映えも1眼レフそのもので、すっかり気に入ってしまった。
ただ、これを買った後、ニコンからD70がD100の半値で出され、結局、ニコンの魅力に勝てずこれも買ってしまったが、キャノンは携帯用、ニコンは撮影会用と、用途をしっかり分けられるので、もったいない気はしない。
というわけで、私は現在、完全にデジタル派であるが、銀塩よりもデジタル(1眼レフ)カメラの方が優れた点はいくつかある。
まず、最も基本的なこととして、デジタルの方が手軽に楽しめる。写したその場で結果を確認できるし、確認しながら構図を変えたりしてより良い作品づくりができる。
銀塩派の方が気にする作品の質感であるが、肉眼で見る限りは、銀塩で写したのとデジタルで写したのではほとんど差異は分からない(少なくとも私レベルの人間は分からない)。もっとも、私も家庭のインクジェットプリンターで印刷したデジタル写真が街のDPE屋で焼いた銀塩写真にかなわないのは理解しているので、はがきサイズくらいまではデジタルで撮ったものも街のDPE屋に持っていって、デジタルプリントにしてもらっている。こうすれば銀塩写真に全く遜色ない結果が得られる。
銀塩よりもコストはかからないし、私は一切やらないが、人によってはレタッチソフトでいじる楽しみもある。
やはりどう考えてもデジタル派にならざるを得ないのだが・・・
Kさんのメールに触発されて、改めて銀塩かデジタルかに思いを致した結果を書いてみたが、いかがでしょうか、Kさん!