97年12月31日(水) 「三浦半島ツーリング」
(大晦日のヒマ人)
今年もいよいよオーラス、大晦日だ。土曜日にバイクを手にし、当日こそガソリン入れに行ったり、近場の比較的空いている道をおっかなびっくり走ったりしたが、日曜日から昨日までは、実はバイクに乗っていない。と言うのは、まず、バイク関連にほうけて、まだ全然手を付けていなかった年賀状をパソコンを駆使して作成したこと。次に、女房の手伝いで正月用品の買い出しや家の大掃除などをしなければならなかったからである。今後のバイクライフを平和に過ごすためにも、今の段階で女房の機嫌を損ねるわけにはいかない。
この間、女房には、両隣のお宅へ、「亭主が変な道楽を始めまして、いろいろご迷惑をおかけしますがよろしく」と、挨拶に行ってもらった。バイクのエンジン音がうるさくて迷惑をかけると思ったからである。特に、チョークを引いて始動している間のエンジン音はひどい。幸いにも、両家には、心良く了解してもらったとのこと。
はやる気持ちを抑えて、3日間、雑用で過ごした後、晴れて本日バイク三昧を送れることになった次第である。1日バイクに乗れるときには、まず三浦半島に行こうと決めていたので、そのとおりにすることにした。
それにしても、日本中が大晦日で忙しい日にツーリングに出かけるなんて、我ながらヒマ人だとあきれた。
(江ノ島にて)
横浜方面から三浦半島の突端まで行くには、いろんなルートがあるが、取りあえず江ノ島まで行って、そこから湘南道路沿いに海辺の道を行くこととした。
江ノ島までは、国道1号線を避けて、やや遠回りになる他の道を利用したが、途中何度か4輪の強引な追い越しにあって、その都度ヒヤッとさせられた。どうやら、私の発進、加速がもたもたしているのが我慢ならないらしい。後ろから見ていると初心者だというのがすぐ分かるのだろうか。馬鹿にされないよう、早く上手くなろうと心に誓うのであった。
江ノ島公園の、日頃バイクがたくさん停めてある場所に乗り付けると、なんと、こんな日に先客がいるらしく、バイクが5台も停めてある。そして、その中のひとりが、木製のベンチに所在なげに腰掛けている。私とて、江ノ島まで来てはみたものの海を見ること以外にすることもない。記念すべき初ツーリングの写真を撮ろうと思って、カメラを持って来ていたので、思いきってその人にシャッターを押してもらうように頼んだことから、その人とバイク談義が始まった。
40歳前後のその人は、江ノ島が好きで、八王子からときどき出かけてくるとのこと。バイクは、ヤマハの1200CCである。
しばらく話しているうちに、私の服装についてアドバイスをもらった。私は、ブーツと手袋こそしていたものの、上は10年以上も前に買ったマクレガーの防寒ハーフコート、下はゴルフ用ズボンといういでたちであったが、やはりバイク専用の服装を身に付けた方がよいという。
その人は革のつなぎの上から、体にぴったりとフィットした地の厚いバイク用のジャンパーを着て、見るからに、バイク操作がし易く、防寒性能も十分そうであった。グローブも、私のは夏用なので、冬用のを買った方がよいという。バイク用品店の場所等についても教えてくれた。
(三浦三崎港にて)
江ノ島から三浦三崎港までの道は快適であった。湘南道路が少し混んでいたが、路側帯が広いので、余裕ですり抜けができる。海が、穏やかな冬の日射しの中、どこまでもキラキラと輝いている。
逗子のトンネルを抜けた後は車も少なくなった。葉山のご用邸の裏手の海水浴場は、子供達が小さかった頃、よく連れてきたところだ。夏はいつも混んでいて、駐車に苦労したことを思い出す。右に、左に、目に入る光景が懐かしい。
1時間足らずで、三浦三崎港に到着した。意外というか、大晦日ということを考えれば当然であったのだが、港は閑散としていた。中心部にある魚市場は閉鎖されていた。また、以前利用したことがある「魚センター」で女房に魚のおみやげを買っていってやろうと思っていたのだが、そこも含め、周辺の店も全部閉まっている。
すべて閉まっていることを知らずに車でやってきた家族連れなどがパラパラといる中、バイクをゆっくりと走らせながら、港のあちこちを見て回った。そして、午後の長い陽射しが照らす港をバックに、バイクの写真を何枚か撮った。
適当に時間をつぶした後、城ヶ島にも寄っていこうかなと迷ったが、昼食をとる適当な店がないので、そのまま帰途につくことにする。今後、三浦半島にはときどき来ることになると思うので、城ヶ島は先の楽しみにとっておきたい。
朝9時に出発して、午後2時頃には帰着。短いが、のんびりとした初ツーリングであった。
【走行距離】 105km