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「…………」 夕日が海に沈んでいく。 波間が光ってとても綺麗。 ……そう、悲しいくらいに。 ルークとの戦いが終わって。 あたしたちは、今、海の上にいたりする。 本当はゼフィールシティに行くために、海を越えなくてもいいのだけど。 別に船に乗らなくてもよかったんだけど。 ガウリイは、ちょっと遠回りになるこの道順を選んだ。 きっと、あたしへの心遣い。 気分転換にでも、とのことなのだろう。 悲しみは時が忘れさせてくれる。 よく耳にする言葉だけど。 ルークは言った。 そんなことは嘘だ、と。 確かにその通りだと思う。 あの戦いから、もう何週間かすぎたけど。 ……未だに、ひょんなことでルークのことを思い出す。 そして、彼が愛していた、不器用な女性のことを思い出す。 あの二人は。 全てを生み出せし母の御元で。 再び、巡り会うことができたのだろうか。 巡り会い、そして今度こそ、幸せになっているのだろうか。 この世では。あまりにも寂しすぎる結末を迎えた二人だから。 あの世界では。幸せに暮らしていて欲しい。 全てのものの母よ。 どうか、この願い事を叶えて下さい。 運命という言葉に弄ばれた二人に。 今度こそ。 安らぎを与えて下さい。 じゃないと。 あまりにも悲しすぎるから。 寂しすぎるから……。 ふわり。 「何考えてんだ、こんなところで。 風邪ひくぞ??」 突如、上から降ってきた優しい声。 あたしを暖かく包んでくれる金色の髪。そして、太い腕。 「うん、ちょっとね〜〜」 あたしは彼に寄りかかり、空を見上げる。 「(ぽんっ)夕日が綺麗だなぁぁって思って。ほらっ!!」 あたしは、考えていたことを彼に悟られないように、視線を夕日に戻した。 彼はいつもあたしを心配するから。 ……彼にあたしのことで、悩んで欲しくないから……。 「……あのな。 いつもいってるだろう。 我慢しなくっていいんだぞ?オレの前では……」 なのに。 彼はちゃんとあたしが考えていたことを当ててしまった。 長年、つきあってきたから。 あたしのことなんか、お見通しなのかもしれない。 ……そこんとこ、ちょぴり悔しい。 「……あの二人さ、ルークとミリーナ。 あっちの世界で、幸せになってるかなってね……」 あたしは、素直になることにした。 考えをお見通しなら。 隠さずに話した方が、彼にとっても、あたしにとってもいいし。 「ああ、そうだな……。 今度こそ、安らぎの場所を見つけてるだろうな。 二人、一緒に……」 彼は、つぶやく。あたしの真上で。 「……ん、そだね……」 あたしは。 あたしが一番安らげる場所で。 彼の腕の中で。 沈みゆく夕日をずっと見ていた……。 ☆みゅ。えんどです☆ |