|
すでに陽が傾き始めた夕暮れ刻、 リナとガウリイはとある情報ルートから古のお宝を求めて (実際求めているのはリナ一人) 草も川も湖もない殺風景な岩場に来ていた。 情報によればこの岩場のどこかに一つだけ文字が彫られた岩があるらしい。 それを昼少し前から探し始め、今、見つけたのだ。 リナは喜びを隠し切れない緩んだ顔で、 その岩の文字を読み始める。 「え〜っとなになに…? ……ここから…真東に…呪文を…う…て……?」 古から伝わっているための自然風化からだろうか、 岩の文字はかすれ、かなり読みにくくなっていた。 なんとか読めたようなのだが…? リナが読んだそれにガウリイが声をあげる。 「真東って言われてもなぁ…。」 真東とはそのまま訳せばまったくの東。 木の一本も生えていない岩場で――いや、生えていたにしても、その切り株から はだいたいの方角しかわからないだろう――真東と言われても…とそう思ったのだろう。 しかしリナから返ってきた声は落胆ではなく明朗な声。 「ついてるわっ!今日はね、太陽が真東から昇って真西に沈む日なのよ!」 「へぇ〜…。」 ガウリイが無感動に相槌を打つと、リナはガウリイの方に向き直り、 日頃、稀にしか見せないような笑顔で言った。 「ガウリイ♪太陽が沈む前に せ・い・か・く・に・お願いね♪」 「…はいはい…。」 そのセリフの意味を察してその岩の真ん中に立ち、おもむろに剣を抜く。 そして、剣の切っ先を太陽の中心に向けて正眼に構え、そのまま、まっすぐに下におろす。 その剣は、微かな音をたてて、岩に一本の筋傷を作った。 これで方角がわかる。 「おっけ〜♪あとはこっちに向かって……。」 方角を定め、呪文を唱え始めたリナに後を任せ、 ガウリイはふと下を見た。 「…………あれ……?」 その岩のかすれた文字に違和感を感じた。 目を凝らしてよく見てみると、リナが読んだ文の続きがそこにあった。 ―――ここから真東に呪文を打てば、汝、災厄振りかぶらん。呪文を使用せず進むべし――― 「―――っ!!おいっ!リ――」 「ドラグスレイーーーーブっ!!」 忠告は一瞬間に合わなかった。 † † † † † 「う〜〜〜〜〜〜〜〜っ」 「唸るなよ…。いいじゃないか。災厄ってのがそんなんで。」 「冗談じゃないわよっ!!…あんなとこに吸魔妖精が群生してる なんて話聞いた事なかったのに…っ。」 ――吸魔妖精―― 黒妖精の一種であり、他の者の魔力を糧とするため『寄生妖精』とも呼ばれる。 魔力と共に年も吸い取るため、不老不死を求める人間に目をつけられた時もあった。 だが魔力を吸い続け、生命エネルギーまでも吸い取り、死に至らしめるため駆除が始まり、 今では絶滅寸前とされていたのだ。 吸魔妖精には、とりあえず魔力がまったく効かないため、 ガウリイに叩きのめしてもらいながらまいてきたわけだが。 「しっかし…子供になっちまうとはなぁ……。」 魔力は多分にあるのだが年まではそうもいかない。 リナの姿は8歳くらいの子供に姿になっていた。 「大丈夫よ。魔力が戻ればもとに戻るわ。」 その時ガウリイは……。 あどけない声で明るく言うリナが妙に無邪気に見えて、 なぜか一気に親父になってしまったような虚しさを心の中で吹きぬけさせていた。 早くもとに戻ってくれよ…。 祈りながら……。 ――END―― 作者様からのコメント:
なんか・・・これはなに?ってかんじですね・・・。春分の日ってのと全然関係ない・・・。 しかも勝手に生き物作ってるし・・・。 終わり方があっけないし。 反省する点はいくらでもありますが。 ここまでのお付き合いありがとうございました。 峰龍 紅でした♪ |