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この日の日没時、ある街への街道で、ガウリイはご機嫌な声で言った。 「なあ知ってるか?今日は昼と夜が同じ長さの日なんだぜ?」 これを聞いた時、正直リナは驚いた。 普段知識というものに縁がないような人物が急に言い出したのだから。 それが『演技』かもしれないと疑ってるのはまた別の話しだが。 そしてやや驚いたまま返す。 「へぇ…。よく知ってたわねー。…でもそれがどうかしたの?」 いやにご機嫌な声と満面の笑みに何かを感じて聞いてみるのだが、その問いにガウリイは魔族だったら消滅するだろうなと思えるほどの感情を顕わにしてリナに言う。 「ん?いやー、これからは夜が長くなるんだよな―って思って。」 「……そ…それが何……?」 「それに冬もすぐだし♪リナは嫌いって言うけどオレは好きなんだよな〜♪」 ガウリイが冬を好きなのはリナにくっついていっても、冬だとぶっ飛ばされる確率が少ないからであるのだが、リナは自分の質問に答えをもらってない事と、今の間も微笑み全開のガウリイに少々苛立ちを感じながらも続ける。 「……あ、そう。それよりその意味ありげな顔やめてくんない?」 なんか怖いから。 と、心の中で加えつつジト目で言うと、ガウリイはまた変な答えを返してきた。 「意味ありげ?そりゃ違うな。意味があるんだよ♪」 「なによそれ。」 「わかんなくてもいいさ♪これからだんだん解ってくと思うし♪」 なんかムカつく。 それがリナの正直な感想だった。ガウリイにこう言われるのはなんか、思いっきし子供扱いされた上に裏切られたような気分になったからなのだが。 ガウリイからして見ればそんな事思ってもないし、浮かれているせいかリナのそんな反応も可愛いなんて楽しんでたりする。 「ガウリイがあたしに隠し事ってなんか許せない…。教えなさいよ。」 さすがにリナが本当の事を言えるはずもないので言い方を変えてみたのだが、ガウリイはキョトンとした顔をしてから苦笑し、答える。 「隠し事って……。なんか今の、浮気した亭主に言うようなセリフだな……。」 「なっ……何言ってんのよっ!あたしはんな風に言ってないでしょっ!?意味があるんなら教えてって言ってんのっ!」 真っ赤になって言い返すのだが苦笑というより照れ笑いになってるガウリイには『蛙の面に水』状態である。 「はいはい。んじゃ今日の夜辺りにでもゆっくり教えてやるよ。オレの部屋に来てくれればな。」 「…ふ〜ん……。」 ガウリイの言葉と視線になんとなく怖いものを感じて、リナはこれ以上つっこんで聞くのをやめた。 「リナ。」 「なに?」 「秋の夜長は有効に使わなきゃな。盗賊いじめなんか行くんじゃないぞ?」 「………………さ〜て!早く歩きましょっ!遅くなっちゃう!」 「はいはい♪」 リナが『ギクッ!!』としたのを見逃さなかったガウリイなのだが、 『しようとする前に止めればいっか。』 と、自己完結をさせている。 今日はガウリイ絶好調だ。 とにもかくにも夜は更けていく。 「返事は一回!」 今日の夜、なんかガウリイの部屋に行くの嫌かも……。と考えている娘と、 「は〜い♪」 明日の朝飯、何運んでやろうかな♪と考えている青年と共に。 ―END― 作者様からのコメント:
「おなか痛いのなおらず。ということで、(?)送ります!
後悔ナシですよ!」 |