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「飲みこめない」お子ちゃまの努力

1999/03/25



 最近は体調が悪かったり親知らずが生えてきたりと色々あったため、やたらと病院通いが多かった私。おかげで、手元には薬がたくさんある……もうすっかり薬漬け(笑)。
 しかし、ここで問題が一つ!物心ついた頃、私はとても丈夫でほとんど病気らしい病気をすることもなく、元気に過ごしてきた。少々風邪を引いたところで、家で布団被って1日寝ていれば翌日には全快したものである。無論、よほどの事が無い限り薬など飲むことはなかった。
 そんな私も年を重ねる毎にか弱くなっていき、高校時代などは「病弱の少女」として名を馳せたものであるから人生わからない。もっと分からないのが、大学に入ったとたんに元気になり、「1年前までは病弱で……」と語っても笑われ信じてもらえなかったということだが(笑)。
 それはともかく病弱だった高校時代も、私はほとんど病院に行くことはなかった。貧血起こして倒れようが、過呼吸に陥って全身が痺れようが、偏頭痛で死ぬほど頭が痛かろうが、日常茶飯事だったのでわざわざ高い金払って診てもらうほどではないと判断したためだ。
 結果。……「薬を飲めない」という人間ができあがってしまったのである。
 粉薬ならばなんとか飲める。さすがにそれ単体で飲むのは難しいが(笑)、要は水で流し込んでしまえばそれまでである。しかし、錠剤&カプセル!これは困った。いくら水を飲もうが、喉の先に引っかかって喉へと流れてくれないのである。食事は普通に食べられるのに!……どうも「異物」と思って身体が無意識に拒否しているらしい。
 かといってコップに3杯も4杯も水を飲んでいるとお腹がたぷたぷに膨れてしまうし、そうこうしているうちに薬が口の中で溶けてきてします。仕方が無いので、私は開き直って口の中で溶かして飲むことにしている。苦いのは仕方が無いことである。カプセルは中身だけを取り出し水で一気に流し込む、これでOK。2〜3度ほどカプセルごと飲み込むことに成功したが、あとは全滅だったのでこちらの方法が確実である。だがしかし、天はそんな私の愚行を許さなかった(笑)。医者は私に、「抗生物質」なるものを与えてくれたのだ。
 抗生物質。細菌の繁殖に抵抗する物質で、代表格はペニシリンである。これは私にとって天敵以外の何者でもない。何故かというと……死ぬほど苦いのである。いやホント。
 「死にたくはないけど一度毒を食らってみたい」と思っているそこの君!抗生物質を潰して水に溶かして飲んでみるといい。水の量は少ないほどいい。生きながらにして地獄へ直行する気分が分かるだろう。事実、私がそう飲んだときは思い切り頭を殴られたようなショックに襲われたものだ。この苦さに平気で耐えることのできる人がひょっとしたらこの世にはいるかもしれない。もしこの戯言を読まれているのなら、無条件の尊敬を捧げさせていただく。なむ〜。
 さて、そんなわけだが薬を飲まないわけにはいかない。そこで無い知恵絞って考えた結果が、「別のものに混ぜて飲む」ことだった。
 本来、薬は水か白湯で飲むもの。そんな事は百も承知である。だが、どうしても飲めないものを飲むには多少のことは仕方が無いのである。どうせ食後に飲む薬は胃の中で混ざるのだから、口にするときに一緒にしようが別にしようが構わないはずなのである。無論、医学的見地からは反対意見もあるだろうが、それによって薬が毒になるとか、全く効果が無くなるとかいうわけではないはずであるし、これを他の人に押し付けるわけでもなく、私が勝手に行動しているだけなのだからもう気にしないことにした(笑)。
 実験第1回目、オレンジジュースに混ぜてみた。結果…………やはり死ぬほど苦かった(涙)。果実の味などどこへやら、水に混ぜた時とほとんど変わらない味に私は更なる実験を余儀なくされた(笑)。
 実験第2回目、極甘のココアに混ぜてみた。結果…………ほ〜んのちょっぴりマシになった気がしたが、やはり死ぬほど苦かった(涙)。牛乳が多少味を消してくれたのか、とも思ったが所詮は多勢に無勢(?)、抗生物質の強烈な個性には勝てなかった模様。
 ここで私は考えた。錠剤を飲むときの水は、薬を喉へと流し込む為の媒体でしかない(私を除く)。抗生物質を飲んで苦いのは、それを水に溶かしているからかもしれない。だとしたら、薬が溶けない、もしくは溶けにくいもので粉になった薬を喉に流し込んでやればいいかもしれない。
 かくして私が選んだ媒体は、ヨーグルトであった。原料が牛乳だけに多少の消味効果がある(かもしれない)し、半固形物なので薬自体は溶けにくい(だろう)。また、それのもつ酸味は苦みを多少なりとも隠してくれる(と願っている)。まぁ菌によって作られたヨーグルトと菌の繁殖を抑制する抗生物質を混ぜていいのかどうかという疑問が残らないでもないが、深くは考えないことにした。
 そして実験第3回目、運命の日はやってきた(←んなオーバーな)。過去の経験からヨーグルトは少な目に用意(量が多いと食べる時間が長くなり、その分辛くなる)。すりこ木で錠剤を潰して粉々にし、ヨーグルトを一匙。まぜまぜまぜ……するとあたりに漂う嫌な臭い(涙)。なんで抗生物質ってこんなに臭いんだろうと涙を流しつつ、一気に口の中へと放り込む。やはり口の中に入れたときの感じはたまらない。慌てて水で流し込む。……と、確かに後口は残るのだが、然程ではない。水を何口か飲み、残っていた普通のヨーグルトを食べるともはや口の中から抗生物質の臭いは消え去っていた。  やった!これで私は問題を克服した!!!……嬉し涙に噎ぶ私に周りの人たちは、「良かったねぇ、まぁこんなことしなくちゃいけないのはあんたくらいだろうけどねぇ(笑)」と温かい言葉をかけてくれた(笑)。まぁ若干1名ほどきつい言葉を言ってきた人もいたが無視、無視……。  ……まぁ、確かに最初から錠剤を飲むことができれば良かったのだけど。でも、世の中にはこういう奴もいるのだ……例えそれが少数であったとしても。かくて、私は呆れ半分の眼差しを受けながら、今日もヨーグルト片手に薬を飲んでいるのであった……(笑)。


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