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私は通勤に自家用車を利用している。当然の事ながら車に乗る機会は多いわけだが、運転中にどうしても怖い事が1つある。 それは、自分の車の前を、大型車が通ることである。前方の視界がきかなくなる、というのはある意味恐怖である。……いや、そんなのは大した事ない、という方もいるかもしれない。確かに、予想だにしなかった場所にパトカーが潜んでいる事や、黒塗り33ナンバーの車に煽られることや、横に並んで走る車の運転席にいる若い兄ちゃんに手を振られる事(もちろん運転中!)も怖いわけではあるが。 ……今ここで、「1つだけじゃないじゃないか」と思ったそこのあなた!……深いことを気にしていては大きな人間にはなれない(笑)。 さて、大型車を嫌っていたとしても私の通勤路は天下の国道、いくら山の中をくねくね走っていて片側1車線しかなくても、まごうことなき幹線道路なのである。よって、この道を走る大型車は、非常に多い。 今朝もそうだった。いつも渋滞が起きる交差点を何とか抜け、「さぁ飛ばすぞ!」(注:善良な市民は決して真似をしてはいけない)と意気込んだ時のこと。私の目に映ったのは、約300m先をのんびりと走るトレーラーの姿だった。 折りしもそこは、峠の直前。加速を始めたばかりなのか、その車の速度はお世辞にも速いとはいえなかった。みるみるうちに追いつく私の車。その間、トレーラーがちっとも加速したように見えなかったのは果たして私の気のせいだろうか??? そして車は峠へとさしかかる。警察から表彰状をもらいたくなるほどの安全速度で進んでいくトレーラーと私の車。良く見ると、トレーラーの後部に小さな看板が付いていた。「フルトレーラー 全長18m 追越注意」。……そりゃ18mもあれば、追い越すのも一苦労ではないだろう。 そして坂道を登っていくうちに、前方のトレーラーはどんどん減速していった。いや、あまりに大きく重い車体ゆえ速度がでないのは分かる。しかし、だからといって時速20kmや30kmでなど走りたくはない。かといって追い越すには片側車線と言う大きなネックがある。煽りたい心を押さえ、私は仕方なくとろとろとトレーラーの後をついていった。 ふと気になり、バックミラーで後方を見る。予想通り、車の大名行列ができていた。ざっと見た感じでは数百メートルは続いているようだった。後方の皆さんも大変だ、たった1台のために、このような渋滞に巻き込まれてしまうのだから。 永遠かと思われるような長い時間を経て(←オーバーな……)、ようやくトレーラーは峠の頂上へと辿り着いた。これから先は下り坂、決して先ほどみたいな速度で走ることはないだろうと一安心、思わず溜息をついてしまった。 予想通り、トレーラーはぐんぐんスピードを上げていく。時速30kmから40km、そして50km…………順調に速度は上がっていった。だが、「とりあえず制限速度まで出してくれたからいいか」と思う私の車を引き離すかのようにトレーラーは先へと進んでいった。 メーターを見ると、時速60kmから70kmへと上昇している、しかし私の車はどんどん引き離されていく。ちょっと待て!と内心叫ぶ私。このトレーラー、少なくとも時速80kmは超えていたと思われる。 いや、そこが見晴らしがよく広い直線路なら別にいいのだ(法律がどうの、という話はあえて置いておく)。だが、私達が走っている道は山の中で見晴らしは非常に悪く、しかもそこそこ急なカーブが連続している場所である。ちょっと対向車が中央線を超えたらアウト、の世界である。 そんな中、何も気にするものは無いかのように走りまくる大型トレーラー。まさに走る凶器である。警察がいたらどうする気だ、いや何よりも人や車が飛び出してきたらどうする気なのだろうかと心配する私をよそに、暴走トレーラーは曲がりくねった道をただひたすらに爆進していくのであった。 ……大型車の怖さを再認識した朝の光景であった…………(滝汗) |