今月のトピックス
September ’03
(HP更新中断中のコンサートにつき、簡略化。・・・・半年空けてしまうと、記憶も鮮明ならず、申し訳ありません。)
9/13(土) 加藤訓子 パーカッション・ライブ
(JC−Day 2003 豊橋公園会場にて)
愛知県の豊橋市といえば、東海道新幹線も停車し、ちょうど東京と大阪のど真ん中という位置で、そこそこ、東海地区以外でも名前は知れている街と思いますが、さて、何か有名なものはあったっけ?ヤマサのちくわ、なんてローカルか。シンセの喜多郎さん、いかがでしょう。あとは、この三河地域は、花火で有名。江戸時代から、徳川家ゆかりの地ということで、特別に火薬製造が許された地域という経緯もあって。
その、花火を使って、まちおこし、てなわけで、商業ベースの花火大会、「炎の祭典」という催しが、毎年9月に行われます。その花火大会当日の昼間、会場の豊橋公園にて、いろいろ雑多なイヴェントがあるのだけれど、今回は、パーカッションのライヴということで、地元の割に行かないこういったイヴェントに参加することとなりました。
加藤訓子(katoh Kuniko)さん、ずばり豊橋市の出身。桐朋の卒業、ロッテルダム音楽院首席卒業。2002年には、豊橋市から豊橋文化奨励賞も受賞、現在はアメリカ在住、ソロ・パーカッショニストとして活躍中、です。サイトウ・キネン・オケにも参加していて、CDなどでも、彼女が演奏しているのは確認できます。
あいにくの雨模様、打楽器の野外コンサート、どうするんだろう、との心配をよそに午後からは見事、暑くなるほどに晴れ渡り、汗だくになりながらライブを楽しんだ。
まずは、でっかい丸太、これをくり貫いて作った楽器にての即興。なかなか、最初からインパクトあるなあ。いろいろな写真とか拝見すると民俗音楽系の楽器を演奏する画像も多くて、そういった分野にも力をいれているのだろう(正式なコンサートではなかったので、情報が未整理につきすみません。ご本人のHPでご確認されるのもよろしいかと。ちなみに、私の手元には、豊橋文化振興財団の、受賞時の記事とか、新聞折りこみ広告のなかでのインタビュー記事とか、あるんですが、両方とも、写真で演奏している楽器は民俗系でした)。
あとは、マリンバの独奏を。野外ライヴなのに、媚びないな。現代曲をバシバシぶつけてくる。シュワントナーの「ヴェロシティーズ」だっけ(曲名も紙としてもらってないので不正確かも)。本人曰く、 「ちょっとハードな曲で」 なんておっしゃていましたが、確かに、演奏も「ちょっと」どころではないハードさだし、聴く方の緊張感も高まる。ミニマル系の、リズムで押して行く曲だが、決して聴きにくくはない作品。技術力の凄さが伝わる。こういった場所で、媚びずに難曲を一般の人々(打楽器ソロなんて初めて聞く人が大多数だろうに)にぶつける気概は素敵だ。
最近見た若手指揮者のミッコ・フランクを特集したTV番組で、「野外コンサートでワルツやタンゴをやってお茶を濁したくない。そういうコンサートこそ本物の芸術を聴いてもらいたい」と、プロコの「ロメオとジュリエット」を演奏してたりして、まさに自分も、そういうものをぶつけることこそ、音楽を楽しむ人の裾野を広げることだと考えている。いつまでたっても、日本、上流階級の嗜みみたいな風に芸術音楽を捉えてるジャン。例えばショスタコのどこがハイソじゃ、現代の、進行形の音楽、生きた音楽、博物館入りしてない音楽、そんな風に僕らの好む音楽をみんなが捉えてくれたら。打楽器の音楽なんて、絶対、上流階級のものじゃない。他の弦や管は、確かに、かつて宮廷や教会の一部特権階級のものだった。打楽器は、基本的に、閉鎖性のかけらもない楽器。もっと、楽しもう。古典だとか、現代だとかおかまいなし。
あとは、「アメイジング・グレイス」を、しっとりと、トレモロ奏法のなかから浮き立つような編曲にて。また、本人曰く 「軽めにアレンジしてみました」 という、「ソーラン節」。これまた、ミニマルで、面白い編曲。細かなリズムの連鎖のなかから、小刻みにソーラン節の旋律が出てくる。洒落た、カッコイイ、アレンジで感心。我が少年時代のテクノの思い出がよぎる。テクノも、エスノと現代の調和だった。その感覚、今なお自分の快感原則か。忘れられない。
その他、ご本人作曲の組曲なども披露。分りにくさはない。十分楽しめた。ミニマル風もあるし、印象派風もあるし、あと驚かせてくれたのは、voice付き。細やかなマリンバのリズムに乗って、女声がロングトーンの神秘的なメロディを紡ぎ出す。この効果は、インパクトありだ。
最後に、当日、「炎の祭典」で花火と共演予定の、和太鼓グループ「志多ら」のメンバーとのセッションで、「マリンバ・スピリチュアル」。三木稔作曲の、マリンバと打楽器のための音楽の古典ともいうべき作品(この作品については、日本マリンバの草分け的存在、安倍圭子さんのコンサート記録も参照してください)。
和太鼓の皆さんも景気良く、掛け声も高らかに、アクティブなパフォーマンスを見せ、聴かせてくれました。音楽の力、その根源的な、肉体、精神に直結する快感を全身に浴びせかけるような演奏で、とても感激です。
アンコールに応えて、ご当地ネタということでしょうか、喜多郎さんの「シルクロード」のテーマ。心に染み入るいい曲です。幸福な気持ちで会場を後にすることができました。
参考に、加藤訓子さん、2003年は、その後北海道、あと香港などでもコンサートを続けられたようです。そして、2004年、最新の「ぶらあぼ」7月号でも紹介されていますが、東京の夏音楽祭にも、ソロ・コンサートで参加、7/10,11と銀座のADK松竹スクエアにてコンサートが予定されています。また、7/7は横浜、赤レンガ倉庫1号館ホールでもダンスとの共演、とのこと。今後、見逃せない、注目のパーカッショニストです。機会あれば、皆様もぜひ、実際に体験、体感してくださいませ。
また、ご本人さんのHPによれば、8/1は、愛知県渥美町にてコンサート。8/6〜8は、名古屋にて芸術文化センターで、ワークショップ、と地元でお会いする機会も多くなります。
ソロ・リサイタルではありませんが、7/1には、静岡駅前のAOIにても、ストラビンスキー「兵士の物語」に参加されるようです。
是非、地元の方々も、世界にはばたく同郷のアーティスト、せっかくの里帰り、会わなきゃ損、応援しようじゃありませんか。
(追記)当日は、この7月(チョット下の記事参照)に聴いた、竹内正美さんのテルミン演奏も、豊橋市役所にてございました。キーボードの伴奏は、NHK教育TVロシア語講座でおなじみな「ただすけ」氏。こちらも楽しいコンサートでした。
ちなみに翌日の地元紙、中日新聞のローカル版は、テルミン・コンサートの方が写真入りで紹介されていました。加藤さん残念!
(2004.6.24 Ms)
9/2(火) ノルディックサウンド広島 訪問
9/6(土) かぶとやま交響楽団
Augast ’03
8/21(木)〜22(金) 第15回アフィニス夏の音楽祭 より
第15回アフィニス夏の音楽祭 より公開練習の見学など。
例年恒例となった、夏の飯田訪問。2年前は日帰り、昨年は1泊。今年は、2泊。飯田市内1泊そして、昼神温泉でさらに1泊と規模拡大。
初日は、午後現地入りして、まずは弦楽器のマスタークラス。注目すべきは、チェロ。シューマンの協奏曲を題材にと、レベルの高さに目を見張る。パンフにはのっていない講習生、どうも急遽代理で来ているようだ。本来はここの講習生、比較的経験の浅い、オケに入りたてくらいの方のはずだが、どうも違うのではないか・・・あとで確認してみたら、都響の、江口心一さんという方らしい・・・既にソロでCDなどもリリースしていると(それも20世紀の無伴奏作品のものという)。さすがに風格の差は歴然 (今後、要チェックの人材とお見受けいたしました) 。
夕食は、鼎駅前の、「吉祥寺」なるフランス料理店にて(伊那の深い山並みに抱かれた飯田の盆地にて、フランス料理と洒落こむのもなかなかオツなものだ。)。昨年、昼食で飲食店がなかなかみつからず苦労したので(結局ユニーの地下)、今年はしっかり事前に調査。さらにショッピングも楽しみつつ夜がふけるのを待つ。山に囲まれた盆地の飯田、緩やかに山岳地帯へと続く斜面に宅地開発され、夜景が、とても立体的に広がる光景にうっとり。夜のデートは、海の横浜、神戸のみならず、山の飯田も捨て難い。
などと、夜景も楽しんだ後は、音楽祭の講師、講習生の宿泊するホテルシルクのロビーへ。毎夜繰り広げられる、ラップセッションめあて。ロビーには、数々の室内楽の楽譜が整理され、様々な組み合わせのアンサンブルが突発的に演奏される。当日は講師の演奏会があったせいで、開始も10時ころと遅く、講師の方の演奏もほとんどなし(1時間ほどしか聴いていない)。その中で唯一の講師演奏による、ブラームスのホルンソナタには深く感動。豊かな音色と、うっとりするような歌謡性、贅沢なもの。その他、珍しいヴィオラを中心としたものやら、チェロとベースのデュオなど(ロッシーニ)。今回は、市街地に宿を取らず、このセッションに長居できず残念だった。また、次の機会は、もっと聴かせて頂きたいもの。
翌日は、午前は、ブラームスの弦楽六重奏曲第1番のリハ。今年は5月の大垣の音楽祭で、トッププレイヤーたちの演奏を聴いたばかりで、やはり、聴講生のパートの主張の弱さが、全体の重厚さに今一歩という感想を持つのだが、それにしたって、曲の素晴らしさは普遍、不変だ。午後はオケのリハで、R.シュトラウスの「町人貴族」、ブラームスの「ハイドン変奏曲」。下野竜也氏の指揮にて。一通り通す程度のもので、また、顔合わせ程度のものではあった。今回の滞在の圧巻は、やはり、初日の体験に尽きますね。来年も楽しみ。
後は、昼神温泉でのゆるりとした一晩。さらに、CD情報も実はありで、飯田のBookoffにて、ビシュコフのタコ5の廉価盤やら、ブリテンの「グロリアーナ」(エリザベス女王戴冠祝い)などといった珍しい作品を数100円レベルでget。侮れませんて。どこにどんなお宝がありますやら。
2003年8月頃記載のものを加筆(2004.3.29 Ms)
8/12(火) NHK−FM「名曲リサイタル」公開録音(広瀬悦子、島田真千子)
土曜の午前中に、こういった番組があるのは、今回始めて明確に意識した次第。我が家にほど近い、愛知県の小坂井町、フロイデンホールにて、開館10年の記念の一環として、番組初のスタジオ外での公開録音。
広瀬悦子さんのピアノで、フランクの「前奏曲、フーガと変奏曲」(デームス編)。クライスラーの「愛の喜び」(ラフマニノフ編)。シューベルトの「菩提樹」「アヴェ・マリア」「魔王」、グノーの「ファウスト・ワルツ」(以上リスト編)。後半は、島田真千子さんのVn.で、バッハの無伴奏パルティータ第3番抜粋、ラベルのソナタ、サラサーテのカルメン幻想曲。
特に、広瀬さんの演奏、もの凄い迫力と、繊細な音色の変化に魅了される。ラフマニノフ編曲による、クライスラー、軽いサロン的編曲か、などと想像していたら、まるで協奏曲のなかのカデンツァか、というほどに超絶技巧、そしてガツガツ和音打撃も骨っぽい、荒れ狂うラフマニノフ全開でたまげた。同様に、リスト編による「魔王」も、嵐の中、馬で駆けるシーンの迫力、低音の上昇音型のオクターヴの動きなど超人的で、全編一気に興奮のなか堪能する。ファウストワルツにしても、序奏のあと、ワルツのリズムが刻まれる最初のところなど、腰を浮かしてまで、低音の1拍目の重みを出していたりして多いに好感を持つ・・・・決して、お嬢さん的、サロン的、高級感といった、いわゆるお上品さとは違う、生きた音楽を感じる演奏だ。一方で、フランクのオルガン曲からの編曲は、淡白な、地味な音色と簡素な雰囲気が、通常持つピアノ曲の華麗さとは異質な雰囲気で面白かったし、シューベルト歌曲も、歌と伴奏、あるいは、そのうたわれる内容に応じて様々な音色が紡ぎ出され、原曲に劣る編曲、などとは言わせない、編曲のもつ可能性を切り開く快演であったのは間違いない。・・・・公開録音ということで、てっきり軽い曲を選んで・・・などとプログラムをみて思った私は泡食ったわけだ。今後、今回の演目を含むCD発表も控えているとのこと、おおいに楽しみとしたい。ちなみに、アルゲリッチ・コンクール優勝者とのことで、なるほど、と思わせる。N響とも、ラフマニノフの3番の協奏曲を競演したとのこと、是非、ラフマニノフは聴きたかったものだ。
2003年8月頃記載のものを加筆(2004.3.29 Ms)
広瀬さんについては、ここに発表した時点(3/29)で既に、
今回のプログラムを中心としたCDを発売、リサイタルも行われています。
ラフマニノフの3番の協奏曲も名古屋フィルとこの4月に演奏されます。
それらにちなんだ記事も遠からず書くこととなりましょう。
8/2(火) フィルハーモニア スプレンディダ 第9回定期演奏会
夏、横浜、スカンディアでの北欧料理堪能にかこつけての演奏会鑑賞。昨年の夏は、ニールセンの「不滅」を取り上げた、積極果敢な選曲の団体。ショスタコの9番と、プロコの5番という、第2次大戦ソ連勝利プログラム。日本の夏に相応しい?かな。
ショスタコの第1楽章での致命的なハプニングを乗り越え、ユーモアに満ちた作品を楽しく聞かせていただく。
プロコは、私にとっては、アマでの演奏の快くない思い出もあって(フィナーレのコーダで楽譜と全く違うウッドブロックが曲を崩壊させていたという史上最悪な鑑賞体験!)、そのトラウマを拭ってくれたという意味で重要なコンサートではあった。ただ、なかなかアマでは難しいなあ、という印象はもってしまうか。善戦していたのだが。あと、特筆すべきは、ロビーコンサートでの、チェロ合奏による、ヴィラ・ロボスの「ブラジル風バッハ第1番」。低弦の充実は、やはり心地よい。
2003年8月頃記載のもの(2004.3.29 Ms)
July ’03
7/27(日) 名古屋シンフォニア管弦楽団 第43回定期演奏会
ブルックナーの交響曲第4番、そして、日本初演となる、ノスコフスキの交響詩「草原地帯」。指揮は、私も何度かお世話になりました、今村能氏。
どうにもブルックナーの長さ、構造上の破綻、人間の感情を無視したかの唐突な楽想の転換、休止など、神のなんたるかを未だ知らぬ俗人、未熟な私には、苦手である。しかし、今回の演奏に接して、私の今までの印象が大きく転換した。つまり、なんのことはない、下手な演奏に付き合わされての拷問、がトラウマになってただけだ(アマではなかなかさまにならないのは事実か)。
今回の演奏、冒頭のホルン・ソロの素晴らしさ。さらに、全曲を通じての、ホルン始め金管の美しくまた迫力ある高貴な雰囲気。妙に巨匠然としてノロノロもたれる事無く、推進力あるダイナミックな曲の運び。しかし、たっぷり欲しいところは丁寧に、フレーズの最後のちょっとしたルバートなども統制された、オケとしての一体感をもったアンサンブル・・・・まずは、指揮者の力量が曲の魅力を全開させていた(イヤになるほどの長さを感じさせなかったのは、この作品においては凄いこと。特に第2楽章、緊張感を孕みつつ、丁寧でありながらも推進力を感じさせつつ大クライマックスへ向けて高揚してゆくさまは圧巻)・・・さらに、オケも全てのパートで高いレベルを持ち、演奏面での不安感を何ら感じさせること無く鑑賞に専念させてくれた・・・かなりの出来だ。私も何度か演奏に参加させて頂いているが、そのなかでも今回はトップレベルで多いに満足。
さて、初演のノスコフスキ作品。今村氏がポーランド国立歌劇場常任指揮者に就任したこともあって、是非に日本でポーランド作品を、ということらしい。1846〜1909年、後期ロマン派を生きた作曲家だ。1897年の作。愛国者らしく、堂々たるポロネーズが高らかに要所で響き渡る。調性感はしっかりとあるが、転調の激しさもあって近代的な雰囲気もある。最も印象深いのは、弦とピッコロのみで演奏される冒頭。北欧の諸作品とも共通の美しい弦の和声、それにうら寂しくも筋の一本通ったかのような笛の音、「草原」を象徴する美しい部分である。
充実のコンサートだ。未知の美しい作品を教えていただき、かつ、私の持っていた、独断的な曲の評価を改めさせていただき、かつ、未知なる作品との貴重な出会い・・・・これこそ、オケとの幸福な一時・・・・こうでなくっちゃ。
既知な作品との、新鮮さの無い対峙のみがコンサートであるなら、私はホールに足を運ぶこともあるまいて。名古屋シンフォニアさんとの幸福な一時、今後も期待しています。
2003年7月頃記載のもの(2004.3.29 Ms)
7/19(土) 竹内正美コンサート 〜テルミンで星に願いを〜
ロシア・アヴァンギャルドの音世界、岐阜県現代陶芸美術館にて。
ロシア・アヴァンギャルドの陶芸作品を見るべく訪れたら、偶然、今からテルミン・コンサートありとのアナウンス。こりゃ聞かねばと足早に入館。竹内氏は、10年前、ロシアにて、テルミン(楽器の発明者)の、愛弟子から直々にテルミン(電子楽器)を教わり、日本での勢力的な演奏活動など通じてテルミンの普及に努めている。我が住家の隣町に在住し、1999年10月に地元でのコンサートにも行きました。コンサートの詳細こちら。
2003年現在、NHK教育TVのロシア語講座のエンディング・テーマを演奏しておられます。
その、竹内氏のコンサート、ロシア・アバンギャルドにちなんでロシアものを主に。「モスクワ郊外の夕べ」などの民謡、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」、テルミンに魅せられたレーニンが、実際にテルミンで演奏したというグリンカの歌曲など。ロドチェンコ・ルームなる、当時の労働者の憩いの部屋を再現したスペース、観客一杯にしてのコンサート、ちょうど、当日に、TBS系「世界ふしぎ発見」で、テルミンを特集、竹内氏も登場という絶妙のタイミングでもあり、大盛況であった。テルミン音楽の普及、には、私も暖かい眼差しで見守って行きたい。ショスタコの映画音楽「女ひとり」でも効果抜群の存在感あるテルミン・サウンド・・・ロシア・アヴァンギャルドの象徴として、今後もさらに埋もれた過去を掘り起こして、興味津々な話題を提供してほしいもの。
さて、美術館の方は、社会主義のスローガンが描かれた皿とかポットなどの陶芸作品ずらり。赤と黒を基調にした幾何学模様のものが多い。抽象絵画の巨匠カンディンスキーの作品も。そんななか、帝政時代の遺物のような、実用的でない装飾的な人形なども、美しい。興味深かったのは、ストラビンスキーのバレエ「火の鳥」の、火の鳥と王子の舞台衣装による人形。
地味な企画ながら充分に楽しめた。今後、秋は、茨城、滋賀と巡回するようだ。興味あらば是非是非。
2003年7月頃記載のもの〜情報としては既に過去のものとなり紹介が遅れたことが残念です(2004.3.29 Ms)