グロフェ

ミシシッピー組曲

もう、一発屋と呼ばないで!シリーズ第2弾

 「グランド・キャニオン」の「山道を行く」で有名な作曲家、グロフェ。私も長いことアマチュア・オケやってますが、「グロフェ」となかなか口に出して発音したことは、余り無いように思います。中学1年の音楽鑑賞以来、縁遠い方ですね。自分のオケで、候補曲に上がることも無ければ、コンサートで聴く事もなかなか無い。ちょっと、かわいそうな一発屋さんです。
 しかし、グロフェの経歴で、忘れてはならないこと!!それは、
ガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」のオーケストレーション!!
 当時の、流行作曲家ガーシュインの出世作は、まだ各種楽器の扱いに不慣れな彼に代わって、グロフェが名アレンジを施した故の大成功でもあったのです。ジャズとクラシックの橋渡しをし、本当のアメリカ音楽を確立したもう一人の立役者として、もっとグロフェは脚光を浴びて良いはずです。

 ということで今回紹介するのは、「ミシシッピー組曲」。ふーん、どんな曲かなぁ、と想像しているあなた。実はもう聞いているはず。えっ!
 もうかれこれ、10年ぐらい前、1年に一度、数週間に渡って放映された、日本テレビ系列の人気番組・・・・思い出しましたか?そう、
「アメリカ横断ウルトラクイズ」。 クイズに正解し、次の目的地へ勝ち抜きが決まった時に、流れる音楽。二種類有って、トランペットのファンファーレ風な一節。それと、テュッティで派手に鳴る6/8拍子の行進曲。それが、「ミシシッピー」なのだ。うーん、いまいち思い出せないなぁ、というあなた、CDでご確認を。
 でも、「ウルトラクイズ」を知る人も、いや、覚えてる人も少なくなる将来、「ミシシッピー」も忘れ去られてしまうのか?それは、惜しいような気がします。せめて、覚えている人がまだいるうちに、有名曲になってほしいなぁ。そういや、去年ひさびさに、「ウルトラ・クイズ」復活してましたが、もう時代錯誤って感じでしたものねェ。

 さて、CDを探そうにも、種類が少なく、困ってしまいそうですが、最近、ボストン・ポップスで、アメリカ音楽のアルバムに収録されたようです。日本版もあったように記憶してます。私の入手したのは、マーキュリー。録音が50年代で、ちょっと古いけれど充分聞けます。カップリングは、もちろん「グランド・キャニオン」。それと、ハーバートのチェロ協奏曲第2番。は、なにそれ?実は、ドヴォルザークがアメリカ滞在中に聴いて、これに触発されて、あの名曲、ドボコンを作曲したと言うんだから、聴いてみたくなりませんか?全然アメリカ臭くない、後期ロマン派風な超マジメな作風。おっと、グロフェの紹介から脱線。
 最後に、グロフェの没年は、1972年。ガーシュインと同世代だから、結構古い人と思われがちですが、そうでもない。この辺でブレイクしておかないと、歴史に埋もれる可能性も有ります。没後30年の2002年あたり、去年のガーシュインぐらい盛り上がってほしいな(ちょっと無理か?)。そのためにも、まずは「ミシシッピー」、聴いてみよう。オケのあなたは、弾いてみよう、吹いてみよう。

(1999.2.17 Ms)



「隠れ名曲教えます」へ戻る