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2007

2007 MONACO


マクラーレンの二人の争いはすごかったが、ラップタイム変遷図はアロンソが王者の意地を見せたことが分かる。アロンソが最初にピットインしてハミルトンが28周目に1:15.372を出せば、アロンソも同じ周に1:15.462で応酬し逆転を許さなかった。そしてハイライトは41-45周目で、ここが勝負の分かれ目だった。この5周でアロンソはハミルトンより1周で1秒速く、9.3秒差に広げた。チャンピオンが全力で走った場面だった。ハミルトンは46周目から同じタイムで食い下がるが差は縮まらず、2回目のピットで逆転できなかった。チームオーダーの声など関係なくアロンソがみずから勝ち取ったレースである。
マッサがスーパーソフトタイヤを使った第二スティントの前半にペースが遅かったことも示された。ここで30秒以上に差は広がりどうしようもなくなった。だがなぜか39周目から急にペースが上がっている。なぜこのペースを一貫できなかったのかはマッサとフェラーリが究明すべき課題か。

ラップタイム図でも明白だった第一スティントのぽっかりあいたハイドフェルドのフタ。レースチャート図(ギャップ推移)で被害者は2ストップで速く走りたかったロズベルグだけとわかる。ホンダの2台はハイドフェルドより長い第一スティントをとりながら2ストップにしてしまうという作戦失敗が見られる。バリチェロ37周目・バトン41周目のピットでともにもう1ストップしようと判断した。だがそうせずに燃料を積んで1ストップで行けば1台はライコネンの前の8位入賞ができたのではないか。
ライコネンはほとんどの周で前の車にふさがれた。わずかに48-53周の間だけフリーだったが、それはあたかも渋滞の首都高において料金所からの合流レーンでだけアクセルを開けられるようなものだったろう。

レースペース図では佐藤が1:18秒台が最も多い周回とわかり、そこにはホンダ・トヨタ・ウィリアムズらがひしめく。モナコは速さに差がなくてもちょっとしたことで順位が大きく変わってしまう恐さを思い知らされたことだろう。BMWとの差もそんなにない。1:17秒5ペースのスピードは健闘した。

アロンソがモナコ連覇
ハミルトン離れず2位(マク2人選手権で並ぶ)

マッサ3位(5点差)、ライコネン8位(15点差)

 

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