Extreme Programing Explained Embrace Change (2nd Ed.)

Kent Beck

XPの言っていることはとても好きだ。Test Firstも、Pair Programingもすばら しい。

XP第一版の感想は、

その後、Kent Beck氏の本は、TDD, smalltalk best practice patternと読ん できた。感想は、翻訳が悪い。時々論旨が判らなくなる、と同じなんだけど、だ んだん疑わしくなってきた。翻訳が悪い部分はあるだろう。でも論旨が判りにく いのは、翻訳のせいではなく、もとにも問題があるんじゃなかろうか。

ということで、XP第二版は原書を読まねば。

予想通りとてつもなく難しかった。なにがどこに繋っているのか。どの単語がど の単語と同格なのか。知らん単語のオンパレード。この単語にはこういう意味も あるのね。 日本語の文書でも難しい言い回しの文書はある。ネイティブが読めば、このXPも 難しいがクリアな文書なのかも知れない。でも技術系翻訳家には難しい文書だろ うね。

ということで、約半分まで読んだ所で力尽きました。前半だけの印象です。

第二版の日本語版もちら見した。翻訳はかなりがんばっているし、判り難い箇所 に文書をおぎなって文として成立させたりしてる。良い訳か、と言われると変な 訳もあるし、第二版の翻訳と第一版の翻訳が原文が(多分)同じなのに全く違う訳 になっているところがある。車の運転の仕方のお母さんの行動などまるっきり翻 訳が変わってしまった。

総じて言うなら、日本人で英語にあんまり自信がない人でも読める日本語版があ るのは、ありがたい、ということだろう。翻訳がない国の非ネイティブはこんな英 語を読まなきゃいけないんだからね。

内容については、いろいろ、言われて、、いないのか?検索しても第2版はあまり 取り上げられてない。でも個人的には第2版の方が論旨が通っていると思う。第1 版が最初からストーリーがひねくれているのに対して、第2版は、valueがあって principleがあってpracticeがあって、と抽象から具象へ、広い概念から狭い概念 へ、とストーリーがきれいに繋っている。

あまり意図の判らないmailからの引用も減り(いや、まあ、意図はわかるような 気もするけど)、フリっぱなしで回収しないネタも減り(これは印象のみ)、全体に 判り易くなった。

私には最後まで意味が取れなかった「計画ゲーム」という言葉が第2版からは消 えた。それが何を意味するのか判らなかった私にはよいことだ。「実行計画」と か読んだらそれがなにか書いてあったのだろうか。

で、もう一つ感想。SEっつうのはそんなにもダメな人間ばかりなのか? 仕事をさせるにはおもちゃやお菓子が重要。実際にコーディングしないで一日議 論してたりするので目覚ましが必要で、責任はアサインされるものではなく、受 け入れるものだ。なんて。仕事ってものはそういうものじゃないだろう。やりた くなくてもやらなきゃならん仕事もあるし。上司の命令ってのもある。 もちろん当人の受け取り方次第で効率が上るも上らないもあるだろうけどさ。

第2版でトヨタ生産方式の章が加わった。後半なので日本語版で読んだわけだが。 数年前トヨタ式の某本の信奉者に対して、これからはXPだよと論戦を張った私と してはバカみたいだ。私の仕事はプログラミングではないので、XPをそのまま導 入はできないのだけど、トヨタみたいなライン生産でもないし、XP的コンピュー タ世代の開発法があるだろう、みたいに議論してたわけだ。 XPerが5年の間に偉くなって少し視界が広くなってトヨタ方式みたいなのが見え てきた(第1版当時は知らなかった)のだろうか。じゃ第3版が出る時には、私は知 らないけど社長が読むような、ゴーンとかそういう本からの引用が載るのだろう か。