岩波得意のシリーズ配本。内容はかなり気に入った。 やはりこのくらい、シンプルであるべきであろう。 行列でビシっと。 意味とかが多少見えにくくなっても、コンパクトさは忘れてはいけません。 多変量解析入門の最初の約半分。時系列解析入門の1章だけを読む。 類書でうだうだ述べられている事項が1行で書かれているのは気分が良い。 しかし、密度が高いので読むのは疲れる。 別分野の人が読める、やさしい、統計の本、ばっかりの世の中、統計のプロの ための統計の本という本シリーズは貴重であろう。岩波の本領発揮である。 おかげで、多変量解析の本が、30年前の本でも現役だった理由の一端がわかっ た。つまりは、初学者に必要な多変量解析は30年間あまり進歩してないのだ。 というのは多分言いすぎだけど、最近の多変量解析の本は、30年前の本にも書 いてあることと、解析手法(ソフト)の解説がメインになっている。 この本の最初の40ページほどの内容で多変量解析理論はユーザーには十分で、 あとは、例題とソフトの使用法が求められる所なのだろう。 この本は、ハードカバーだが、やっぱり予約売り切りで5年後には入手不可と なってしまうのだろうか。いいかげん岩波も根性いれて、在庫はいつまでもあ りにして欲しい。(今の世の中、電子版下(この本は、どこからどう見ても、 LaTeX)だろうから、オンデマンドでいつでも入手可なんてできるように思う)。 (2005/03/27)