マハラノビスは人名 インド人の統計学者。「マハラノビスの汎距離」は多変 量解析の本には載っている。
タグチは田口博士。品質工学の大家。タグチメソッドという言葉は最近良く聞く。
MTの他にも、TS(タグチ・シュミット)法なんてのもあって、このシュミットは あの、グラム・シュミットの直交化のシュミット。シュミットは1959年に亡く なっているドイツの数学者であって、タグチ・シュミット法なんて言われても 当人には関係ないような気もする。マハラノビスは1970年代に死んだそうで、 田口博士とも交友があったそうだから、まあマハラノビス・タグチとは言って もいいけど。
で、品質工学の話であって、内容的には納得できる話であるのだが、今一つ日 本語が不思議な日本語で、読んでいるとどこからどこに向っているのかわから なくなるのであった。
ところで、田口博士は偉いのだろうし、著者は田口博士に指導された人なのだ ろうけど、なんだか博士礼賛的な書き方がいくつか見られて読んでるこっちは 恥かしくなってしまう。技術系文書はその辺つきはなした方がいいと思うよ。
日科技連のはなしシリーズは、どれも薄くて読み易くてとっつき易い。
日本評論社の話シリーズとは(そんなシリーズはない。日評数学選書に 「リー環の話」「リー群の話」「ヤング図のはなし」と話なタイトルがいくつ かあるだけ)えらい違いだ。日評数学選書は雑誌連載だったので、とっつき易 そうだが、実はかなり本格的なのであった。