リー群の話

佐武一郎

大学時代に、勉強しそこねた、勉強しておけばよかった言葉シリーズも、
 環、体
 微分形式
 コホモロジー
ときたわけだが、次はリー群とリー環である。

(今後、ホロノミーとか、複素構造とか、くりこみ群とかが来るのだきっと)。

馬鹿な話だが、私は、そもそもリー群の定義がよくわからないのだ。

シュッツにはこうある。
Lie群GとはC∞多様体でもある群のことであり、その作用が多様体から自分自
身への写像を誘導する、という制限のついたものである。

中原にはこうある。
Lie群Gとは微分可能多様体で、群演算
(i) ・:G×G→G,  (g1,g2)→g1・g2
(ii)^-1:G→G,      g→g^-1
による群構造が与えられてものである。

つまり、群でもあり、多様体でもある、そういうモノらしい。

## いまさら判ったのだが、中原とか読んでちゃダメなんだな。ああいう本は
   判っている人が、全体を見るための本であって、私向きの本じゃない。

この本はとりあえず、具体例を出してくれるのがありがたい。

GL(n,R)は、detA≠0なるnxn行行列全体。nxn行列の行列要素をR^{n^2}の点を
あらわす座標とすれば、R^{n^2}空間から、detA=0なる超曲面を引いたものが
GL(n,R)が表わす多様体となる。各点各点は、GL(n,R)の元に対応する。

SL(n,R)は、R^{n^2}中の、detA=1なる超曲面。

多様体の点、つまりリー群の元は、それ自身行列であり、別のリー群の元(多
様体の点)に作用し、別のリー群の元(多様体の点)に変換する。
x∈G, y∈G ⇒ xy∈G

おお、何も悩まない。
リー群は、群であるので、単位元と、逆が存在する。単位元が、1である。
このリー群の多様体の、1での接ベクトル空間をリー環と言う。
逆があるので、任意のx∈Gと、y∈Gに対して、z=yx^{-1}∈Gが存在して、
zx=yとできる。推移的である。

推移的であるから、リー群の多様体は、どこを取っても、原点と同相である。

リー環には、[X,Y]を積とするような演算が定義できる。

部分リー環には部分リー群が対応している。
λA という1パラメータのリー部分環には、リー群の部分群であり、多様体に
埋め込まれた、1曲線
exp(λA)
が対応する。

うーむ。なるほど。リー群、多様体、リー環、が対応するのか。
この本では、ルート系とかウェイトはやらないので、「リー環の話」まで楽し
みで楽しみで。でも「リー環の話」(新版)は入手方法がないんだよね。

「物理学におけるリー代数」ジョージアイを読んだとき、正直言ってかなり感
動した。これも実は就職してから読んだので、学生時代に読んどきゃ良かった
一冊だった。

本書は、リー群とリー環の関係をいって、リー群の多様体としての性質を述べ、
かつ、不変微分作用素について、というあたりに進んでいく。

常に、O(n,m)とか、反対称行列とか、直交行列が主役。

しかし、この本の、ajoint表現の説明は、わからなかった。

詳しく書きたかったが、時間切れ。(川崎市図書館)。

線型代数雑談の標数2の場合の前までは読む。