時間かかった。理由は、途中で、haskellにはまっていたからで、この本に魅 力がなかったからでも読みにくかったからでもない。 おおっ、とおどろく話もないが、なるほどなあ、と読んだ。 直感的な理解を大切にしながら、厳密性にも気を配り、証明の一部は他本にリ ンクするなど、とりあえずストーリーを捕みたい私にはかなりいい感じ。また、 言葉や用語に騙されやすい点はちゃんと例を出して注意を換気している。やっ ぱり数学者の数学本は物理学者の数学解説よりマシなのだろうか。(シュッツ は良かったぞ)。 多様体上の関数を考える。関数の臨界点が、多様体のハンドルと対応する。 直感的にもわりにイメージしやすい。4次元多様体はやっぱり脳が曲がるが。 この人は、日本語として、イメージが捕み易い用語を使っているのがいいんだ と思う。"ハンドルの太さを表わす円板"、"上向きベクトル場"、みたいな。専 門家には逆に馴染みのない言い廻しなのかも知れないけど。 この辺の話は、もろに、超弦理論で使う話だと思うけど、大学院時代にMorse 理論という言葉は出てこなかったと思うなあ。 弦の世界面の上に弦の場の理論を構成し、弦の場がターゲットスペースの座標 に対応する(という意味は、弦上に「ターゲットスペースの座標場」もしくは 弦上の場から、ターゲットスペースの座標への写像が存在する、という意味な んだな、きっと)。弦の世界面→X(座標) と見れば、これはまさにMorse関数が 適用可能。ターゲットスペースは1次元じゃないから、多様体→多様体な写像 なんだが。 X(σ,τ)が弦の座標(の一つ)になっていると言われると、R2→Rのマップにす ぎなくて、連続な写像だと思えば、やっぱりターゲットスペースへの曲った弦 の世界面の埋めこみにすぎない。量子化しちゃったりするんだけど。 (この本には関係ないね)。 さらに、この本の内容には全然関係ない話だが、「高校教師2」で、高校教師 は文科省からの派遣だかなんだかで、自宅には難解な専門書が大量にある、と いう設定だ(と王様のブランチで言っていた)が、その場面(のブランチでの紹 介)で映っていたのは、積上げられた岩波現代数学の基礎シリーズ(ケース入り) だった。 岩波現代数学シリーズは、ペーパーバックで、コンパクトでいい感じなのだが、 カバンに入れて持ち歩くと表紙が摺り切れて行くのが痛い。(ツルツルじゃな い系の表紙なのだ)。 $Date: 2003/04/24 15:15:26 $ (GMT)