Kamui yukara (enrum という語あり) 

turera rerera petun turu(太刀魚の事)

ホロケウカムイ 小さいもの
独り居て 寂しくて 濱へ出てみるかと思って出 海見て喜ぶ
tu otashiriki して居たら tuima enrum hanke enrum
に小鳥のような小さいものが ukoihanke へ
来ると烏位になり 近くなると人位になる
わきへ来て ainu で可笑しなainu になった どこから来た
と問えば 『俺はどこから来ると汝関係無い』と言って
喧嘩する 関係無いことない 初めて見ても友達にならんとするに
悪い奴だと 喧嘩する。ここで喧嘩するなら unupuru pakte
(八卦みたいな事)をやらんとて 懐からさっと杓子を出し
海へ出すと海半分干せる。子狼は蕗の葉取って
柄杓作りしゃくると海皆干せるように見せた。
何だろーと思って 元を見るとOkikurumi oinakamui
の方で今初めて天から来た時 炉縁作り(ハリの木にて)
二つ横座のもの横になり 長いもの作ると曲がる
怒って川に捨てると 流れて海へ行き行き寄り上がる
Okikurumi は神だから 川に流れて海に一年二年流れて
寄り上がって 只朽ちるの馬鹿臭くて(魂入ってるから)
人間になって来たのであった。それを子狼見て
汝はとんでもないものだ 朽ちるのは馬鹿臭いとて
俺を欺して海干せるよう見せたが 俺もそー
して見せた が 海中一番悪いものになれと投げて
inumpe ipe (太刀魚)と言う魚になる 格好はよくて肉(み)は
こんにゃくみたいな魚になる

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これは金田一博士が既に発表されておりますが
kamui yukara と言うものを初めて聞いたものですので
記念的作品としてここに記しておきます。2015/04/09

※ tu otashiriki 色々砂浜の散歩
※ tuima enrumu hanke enrum 遠く岬の先近くの岬の先


 金田一京助博士のユーカラノートより