entotu.jpg 月星化成


 朝な夕なに煙突を見上げ、工場のチャイムを時計代わりに過ごしている。わたしの家のすぐ近く。
 うどん屋のおじさんは、今朝も縄跳びをして、元気のいい声であいさつしてくれる。
 時間どおりに会社が終わり、公園を通って家路につく人たちは、なぜだか幸せそうに見える。
 だから。
 その裏にあるかもしれない、すごく寂しい物語を書きたくなった。