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Vantage Master
ヴァンテージマスター


●ジャンル:戦シミュレーション(キャンペーン方式)
● Win95 ●メーカー:日本ファルコム
●発売日:1997/12/12 ●定価:10800円

ゲーム内容
プレイヤーはマスターと呼ばれる精霊使い となって、ネイティアルと呼ばれる精霊を呼び出して操り、
各マップにいる敵マスターを倒していきます。

24種類のネイティアルは攻撃力などのパラメータの他に 「」の4つの属性をもっています。
これらは、地は天に弱く、天は火に弱く、火は水に弱く、水は地に弱い、 とそれぞれ弱点を
もっているので、これをうまく利用すれば、弱いネイティアルでも強いネイティアルを倒すことが可能です。

ネイティアルを呼び出したり、魔法を使ったりするにはMPを消費しなくてはなりません。
MPは一定時間ごとに回復するのですが、そのままでは回復量は微々たるものなので この量を増やすため
魔晶石を自分のものにしなければなりません。

勝敗は敵マスターのHPを0にしたほうの勝ちです。どれだけネイティアルを倒したかは関係ありません。
マスターにも18の種類があり、魔力があるけど打たれ弱い、攻撃力も防御力もあるけど動きが鈍い、
など一長一短の能力をもっています。

ゲームモードは、全30マップのシナリオモード、上級者向けのマップのそろったエキスパートモード、
制約なしで戦えて対人対戦もできるフリーバトルモードの三つのモードがあります。

感想
結論から言うとすごく面白かった

私はシミュレーションゲームの善し悪しはゲームバランスで決まると思っているが、
このゲームのゲームバランスは秀逸だと思った。

このゲームを面白くしている大きな要因はネイティアルの属性だろう。
他のゲームにも属性というものが存在しているものが少なくないが、これほど属性による強弱が
はっきりしているゲームはあまり見かけない。この強弱をはっきりしたことによって、
「天のネイテイアルは速いから調子に乗ってどんどん前に出していったら、火のネイテイアルに囲まれて、
対抗して水のネイテイアルを出したけど水のネイテイアルは地上では遅いから間に合わない」とか
「敵がこちらに向かって攻め込んできたから、天のネイテイアルで回り込んで敵の背後の魔晶石を
奪ってやったら、敵が火のネイテイアルを出して引き返してきたけど逃げまくって、その間に今度は
こちらから反撃だ」などと、ゲームが幅広い戦略性をもったものになっている。

あとこのゲームのよくできているところは、最初の方のマップでは
プレイヤーのできること(呼び出せるネイティアルの数など)を制限して難易度の低いマップを解かせ、
マップをクリアしていく課程でできることを増やしていくことで、元来シミュレーションゲームに存在する
とっつきづらさを かなり軽減している。

一度クリアしても違うマスターでもう一度プレイすればまた違う攻略法が楽しめ、
難しくて解けないという人にはイージーモード、手応えがないという人にはエキスパートモードが用意され、
通信ではないが一応対戦もできる、と長く遊べる作りにもなっている。

そんなわけで、私がシミュレーションゲーム好きなせいもあるが、かなり良くできた一本だと思った。
不満点もあまり見つからないので、買ってみて損はないと思う。

98/7/6更新