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Garbage
地雷原
気が付くと僕は原っぱに立っていた。
僕の周りにも知らない人たちが数人立っていた。
そのうちの一人がその場から立ち去ろうと歩き出した。
数歩進むと彼の足下で爆発が起こった。
彼は大小の肉片となった。
それを見た数人が地面の下の何かを探し始めた。
そのうちの一人がスイッチのようなものを探し当てた。
彼はスイッチを遠くに投げ捨てた。
スイッチは爆発した。
さらに数人が地面の下のスイッチを探し始めた。
そのうちの一人が地面に手をついた。
その手を地面から離すと彼の手の下で爆発が起こった。
彼も大小の肉片となった。
みんな地面の下のスイッチを探していた。
そして少しずつ前進していた。
中には肉片になってしまう人もいたけれど
みんな着実に前進していた。
僕もあわててスイッチを探し始めた。
だけどさっきの爆発と肉片が頭に浮かぶ。
手がこわばって上手く動かない。
僕は前にも後ろにも進めない。
そうしている間にもみんなは前進を続けている。
彼らはスイッチ探しのコツをつかんだのか
どんどんスピードを上げて進んでいく。
なのに僕は未だに進めない。
そして僕は原っぱに一人取り残された。
01/12/28