ここは鍼灸に関するQ&Aのページです。皆様からの質問にできるだけ(??)嘘の無いように答えていきたいと思います。
尚、ここに書かれているものは98年8月以降にいただいた質問です。(このページにある質問及び解答の内容は、実際のやりとりを簡略化したものです。)


 Q1:鍼灸はどのような病気に効果がありますか?
 A1:一言で言うのは大変難しいですが、一般的には自律神経失調症や神経痛などによくきくと言われています。重大な感染症、骨折、腫瘍、虫歯の痛みなどには効果が期待できないでしょうが、逆に言えばこのような疾患を除けばある程度(このへんの日本語は難しい!)効果が期待できると思われます。

 Q2:体に異物を挿入したり、熱いものを皮膚にあてたりして、それが病気を治したり痛みをとったりするというのはなぜですか?
 A2:鍼灸治療には、東洋医学の理論(よく知られているところとしては陰陽五行論かな)に基づいて治療を行うものと、いわゆる自然科学に基づいて治療を行うものがあり、治療者がどちらの考え方で治療をするかによって鍼が効くということに対する解釈のし方が変わってきます。これは現状の鍼灸が持つ特徴でもあり、弱点でもあると言えるかもしれません。
まず、東洋医学の理論に基づく治療ですが、これは基本的に身体を流れる「気」の調節を目的として行います。つまり、体の中で「気」が流れにくくなったり、量が減ったり、逆に活発に動きすぎたりすると病気になり、その「気」は鍼や灸をすることによりある程度コントロールすることができるとされています。この「気」という存在は現状の科学では確認されていませんが、何らかの機能的経路が存在するのではないかと言われています。
 自然科学に基づく治療としては、鍼灸をすることによって反射(刺激に対して生体が起こす反応で、無意識的に働く)などによる血管拡張反応や、痛みを抑えるとされている神経ペプチドが鍼などの刺激によって放出されることなどは比較的広く知られています。

 Q3:風邪を引いた時などに鍼灸の効果はありますか?
 A3:少し前の質問と重なる部分もありますが…実際に鍼灸が風邪に対して有効な理由を上げておきます。
@風邪薬でも避けては通れない副作用が無い。→漢方薬の場合は少し状況が異なる。
A免疫システムに働きかけ、防御機能を高める。→動物実験のみで未だ人では確かめられていない。
B自然な直り方をする。→熱を下げる等生体の反応をむりやり押さえつけるような今の薬(の多く)とはこの点で大きく異なる。
C主症状以外で、例えば関節の痛み等を軽減させる。

 Q4:鍼は痛そうですが、鍼をされるのはどんな感じなのでしょうか?
 A4:これは実際に鍼治療を経験されるのが一番良いのですが、参考までに鍼は(あまり)痛いものではありません。あまりという表現をしたのは(たまに)一寸痛いこともあるということで..(たまに)というのはもちろん鍼灸師の技量というのが大きいと思われますが、同じ刺激でも受ける人によって気持ち良いと感じたり痛いと感じたりすることは(鍼でなくても)よくあることです。なかなか一概には言えないところですが…基本的に鍼は痛いものではないと考えてください。

 Q5:テレビで見た鍼は随分長いようでしたが、鍼の長さはだいたいどれくらいですか?
 A5:おそらくテレビで見たという鍼は中国鍼かもしれません。日本で多く使われている鍼は長さが4糎〜6糎、太さが0.1粍〜0.3粍くらいのものです。中国鍼は種類が多いため一概に長さや太さについて言うのは難しいですが、日本で使われている鍼よりも太く長いのがふつうです。

 Q6:メニエールは鍼でなおりますか?
 A6:西洋医学的に鍼を見た場合ちょっと難しいかもしれません。
メニエールの原因についても、はっきりとはわかっていないのですが、現在は内耳リンパの水腫が有力であると言われています。
内耳リンパというのは、耳の中にあって聴覚刺激を神経に伝達したり、平行感覚を調節したりする重要な液体です。
鍼によって直接この内耳リンパをコントロールすることは難しいと思われます。
ただ、直接ではありませんが、耳の周囲や頚の筋緊張を取り除くことで、耳の中でなっている雑音を軽減させることはよく行われています。
 また、東洋医学的に考えると、この病床に効果のある壺をいくつか選択することができます。
因果関係がはっきりとしていないので確実なことをいうのは難しいですが、実際に東洋医学的治療によって、メニエールと思われる病状がかなり改善されたという報告はあります。(おそらく症状としては軽いものだったのだろうと推測します)

 Q7: 頚椎損傷後の手の痛み・痺れは鍼灸で治せます過?
 A7:損傷してしまった頚の骨等が神経を圧迫して痛み・痺れを起こしていることが考えられます。
鍼では、完全に痛みをなくすというのはおそらくできないと思います。(神経の圧迫自体はなくならないので)
 ただし、同じように骨によって神経を圧迫する病気(変形性頚椎症,脊柱間狭窄症等)のように一時的に痛みを軽減させるということはできるかもしれません。
鍼の沈痛には様々な理論がありますが、鍼を指すことによって脳内に沈痛物質が放出されて、痛みの感覚を抑制させるという理論はよく知られています。
とは言っても、鍼の効果については、実際治療者の技量や患者さんの感受性等が大きく影響してくるようなところがあるので(もちろん客観的に鍼の効果が確かめられていることも多くありますが)、いちど鍼灸の治療院に行かれてみると良いと思います。


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