interview

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「ZIP MUSIC RAMBLE XTC interview」

"Wasp Star"プロモーションの為来日したXTC
2000年5月24日 ON AIR より


♪Stupidly Happy

Andy : 喋りすぎで首の筋肉がこんなになっちゃったよ。オリンピックのイギリス代表でトーキングチャンピオンになれそうだ。 メンバーはもうひとりいたんだけど、僕らが食べさせていただいたのでふたりになってしまった。

Colin : ふたりになって個性のぶつかりあいという部分が減ったという意味でも、他のメンバーからの貢献というよりは邪魔が減ったという意味でもやりやすくなった。

Andy : 2年前まではDave Gregoryがいたけど、彼は自分で曲を書かなかったし、僕とColin だけが曲を書いているという状況に対し不満を覚えたかもしれない。 でも僕らだって書かせようとしなかったわけではないんだ。 書かせようと思ったけどその度になんやかんや言い訳をしては…「ペンが折れた」とか言って書いてこなかったんだからね。 だからこのふたりになって雰囲気はとてもよくなったと思う。

曲がかたちとなるための種、発端はどういうところから?

Andy : まずペンを買う…

Colin : (笑) なにかしらの楽器を弾きながらコードを奏でているうちにわいてくるフィーリングを言葉に落としていく。 メロディもそうだしすべてのコンポーネントがお互いを支え合うようなかたちで まとまっていかないといい曲はできない。

Andy : 曲づくりはよくわからないセンセーションなんだ。 何がどうなっているのかわからないけれど、毎日定期的にボトル1本買って来られるようなものだとほんとにいいんだけど、なかなかグラス売りしてくれるようなものでもないしね。 とりあえず人から盗むという作業を僕らはやっていないということは大きな声で言える。ただ、おもしろいのはさんざん時間をかけてやっと出てきた曲を、「こんな新しい曲ができてるんだ」といって聴かせると、「ああ、ヘイ・ジュードじゃん」と言われちゃって。 だから結局こんなに頑張ったって、できたものが人真似に過ぎなかったってことがあったりするんだ。

XTCに似ているといわれて嬉しいと思うアーティストが出てきていることに。

Colin : XTCで活動を始めて28年になる。

Andy : 年がばれるよ(笑)。僕らはいわゆる、ひとつの物差しになっているのかな。

ライヴに行くことは?

Andy :僕はまったくライヴを見に行かないし若い頃もそう行かなかった。 人のショウを見に行ってせっかく女の子をナンパしようと思っているのに音がうるさくて、しかも女の子はショウに夢中だし、 一生懸命どなって「どこに住んでるの?一緒に帰らない?」そういう思い出ばっかりだよ。

Colin : デビューして5年くらいライヴばっかりの生活を経験しているだけに、「どうしたらああいう音が出るのか」とかライヴにおけるマジックのようなものの裏側がわかってしまっている。 だから行っても素直に楽しめない。

Andy : 人に対してすごく批判的になっちゃうからなぁ。 チューニングが狂ってるぞとか、なんだあの服装はとか、下手くそ!とか、照明もロクなもんじゃないとか、ついつい言いたくなってしまうんだ。

♪Bordered Up

"Playground"で歌っているのはAndyの奥様?

Andy : 歌っているのは14歳の娘Hollyだよ。 いい声をしてるだろ。 前の妻はMarianneという名前なんで。 このアルバムでも前の女房が苦情を申し立てている声が後ろで聴こえるかもしれないけれど、この曲のバッキングヴォーカルは娘の声だよ。 けっこうスタイルもよくなってきたし、僕としては男でも連れてきたらショットガンでも構えて…と。

自分の娘と共演することに新たな感動は?

Andy : 実はこのとき、本当に僕が狙っていたのは公園で遊んでいるこどもたちがはやしたてているような声(ニャーニャーとAndyが歌ってみせる)だったけど、それを彼女に 歌わせたら、ホイットニー・ヒューストンばりにばっちり音程のあった歌になってしまった。 そこを僕のほうから「いや、そうじゃなくてちょっと音程はずして歌ってくれよ」って言わなきゃならなかったくらいなんだよ。

ピクチャー・ブックについて。アートにはおふたりとも思い入れがあるようですが。

Andy : 僕自身ギターと出逢うまではデザインの仕事が一生の仕事になるだろうと、まわりも含めて思っていた。 ただギターのほうが女の子がいっぱい引っかかるとわかってからはそっちが大事になってしまったんだ。

Colin : Andyは昔、弾けもしないのにギターを学校に持ってきていたよ。女の子にもてたくて。

Andy : そのとおり。たしか親父の、オランダ製のエグモンドとかいう安いギターをこっそり持っていって、弾けもしないのに持っていると女の子が話しかけてくる、と、これはすごいじゃないか(笑)。問題は「弾いてみて」と 言われた時のことだったんだけど。 先生に「授業中は触っちゃだめ」って、ギターをとりあげられて教室の片隅に置かれてしまったんだ。

最後に、XTCの”詞”を感じられるスポットがあれば。

Andy : まず僕らの住んでいるSwindonは違うね。ここはつまんないから。 "Apple Venus vol.1"の方に言えることだけれどウイルトシャという場所のカントリー・サイド、いわゆる田舎のほうのイギリスの風景がぴったりくると思う。 なだらかな丘が続いて、ストーンサークルなどいろいろな遺跡があったりする。 あの場所は歴史的な遺跡がたくさんあるところで、グリーンの布をぱっとひろげた中にぽつぽつぽつ、と遺跡が置かれているようなきれいな場所だ。 そこはVol.1の雰囲気を味わってもらえるんじゃないかな。

Colin : "Vol.2"の方に関して言えるのは、場所じゃなくてむしろたとえばイギリス人の家庭を通してみたときに初めてわかるような、 こぢんまりとした雰囲気とか密な関係とかがぼくが今回の曲のなかで書きたかったことなんだ。

Andy : "Vol.2"では物理的な場所ではなくて心の中といったところかな。

♪Playground