世界経済と幸福論

 

過去のバックナンバーです 

2002年前半分です

バックナンバーコーナー

2001年分です

バックナンバーコーナー

2000年分です

バックナンバーコーナー

99年分

バックナンバーコーナー

98年分

バックナンバーコーナー

人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

   今週は、道徳について考えます

 先月は、大きな事件が起こった。ライブドアに対する強制捜査、そして堀江氏を中心とした

 経営陣の逮捕である。


 去年、フジテレビの件で彼が世間を騒がせたとき、私は、「善悪が問われている」といった。

 だが、結果は残念なものであった。

 日本人の多くが、彼が単なる乗っ取り屋で、法律さえ破らなければなにをしてもいいといってるに

 にも関わらず、彼を支持してしまった。

 
 私は、フジテレビの時も、今回の逮捕劇のときもラビ氏の次の言葉を思い出した。

 「高度な教育を受ければ受けるほど、善悪の区別がつかなくなるようだ」

 堀江氏は東京大学を中退している。

 日本では最高学府と呼ばれる大学に入学できるほどの学力を持ちながら

 強欲になり、他人をいつくしむことができなくなったしまったのだろう?

 彼はあまりにも金持ちになりすぎた。

 私にはそう思えてならない。


 創業のきっかけも「他人に搾取されるぐらいなら、他人を搾取したらいい」だったと聞く。

 ほんらいは、搾取されにようなシステム、社会作りを目指すべきだっただろう。

 まさに善悪の区別がつかなくなっていた。


 彼が、日本に及ぼした影響は大きい。 
 
 小学生までが株式投資にはまってしまった。

 株式市場の本質は賭博に近い。確かに会社の将来性を余資で買うことは一向に

 否定しない。しかし、それはあくまで自ら稼いだものでなければならない。

 
 だが、彼は株は錬金術のようなものであると世間に知らしめてしまった。

 法律の抜け道をひたすら探し、強欲に富を気づいていく。その結果、格差が急速に

 広がっている。


 格差の拡大は需要の減少を通じて経済に暗い影を落としてゆく。

 個人か、政府が借金漬けになってしまうのだ。


 個人の場合はアメリカであり、政府の場合は日本であった。

 しかし、日本の貯蓄率も大きく低下した。まもなく日本も多くの貧困層が生まれて

 社会を大きく悩ますことになるだろう。


 私には、堀江氏が日野富子に見えてならない。彼女は、室町の後期、ひたすら富を蓄えて

 一般庶民を高利貸しの餌食にしてしまった。その結果、生活でいなくなった貧困層の土一揆
 
 徳政一揆が頻発、挙句は応仁の乱で日本の社会秩序は完全に崩壊してしまった。


 堀江氏は、金持ちの羨望を撒き散らした挙句日本の最後の倫理感を容赦なく破壊したように

 私には見える。

 しかも、善悪が問われたのに、金持ちの羨望によって多くのひとが彼を支持してしまった。

 
 のちのち大きな影響を及ぼすだろう。

 年始にもいったように、日本はいま怪しげな雰囲気がただよっている。

 道徳はもう彼方にいってしまったようだ。
 

 私には、日本は、経済人の時代の末期に入ったように見える

 やはり、ラビ氏の言葉どおりあと10年ほどで日本も資本主義の崩壊を迎えることに

 なるだろう。

 その入り口にはいったようだ。



  ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

ものでもありません。ご了承ねがいます。