世界経済と幸福論

 

過去のバックナンバーです 

2002年前半分です

バックナンバーコーナー

2001年分です

バックナンバーコーナー

2000年分です

バックナンバーコーナー

99年分

バックナンバーコーナー

98年分

バックナンバーコーナー

人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

   あけましておめでとうございます。更新の頻度は多忙になるたびに減っておりますが、

 ほそぼそと続けていきたいとおもいます。また、告知だけで実施していないブログへの移行も

 検討中です。なんとか今年こそ実現したいとおもっております。


 さて、2005年が終わった。私が心配していたような大きな災害は起こらなかった。

 では、なにも起こらなかった。外れたといえるだろうか?

 いや、そうではない。米国では度重なるハリケーン。日本でも台風、そして冬の嵐と

 気象は荒れたし、夏の総選挙、尼崎や秋田での事故など悲劇ばかりだった。

 また、経済もライブドアや楽天、そして村上ファンドの買収攻勢、耐震偽装、子供の殺害など

 もう日本には道徳や倫理などなくなったことを示す事件もたくさんおこった。

 まさに2005年は日本が本格的に下り坂にはいったことを示す年だったといえるだろう。

 では、恒例の答えあわせと予想といこう。


 株式市場

 株式市場は、インフレが本格的に始まるので基調は強いだろう。

 ただ、インフレ率を上回るパフォーマンスが得られるとは思わない。

 名目値がいくらあがったところでそれがいいこととは限らないということを

 みな知ることになるだろう。

 問題は、突発的な事項だ
 
 今年は、たびたび突発的な出来事が世間を襲うだろう。そのときに

 乱高下はさけられないだろう。


 たしかに、消費者物価がプラスに転じインフレとなったが、実際には株式市場の

 ほうがずっと強かった。その点を除けばほぼ的中したといえるだろう。

 インフレ率についてはサイクルからみて今年は本格的に上昇すると

 考えていたが、夏のラビ氏の講演で世界的な自由貿易の拡大で最終物価の

 上昇率は高くないとおっしゃっていた。この点は私の考えが間違っていたということだろう。
 
 率直にわびたい。

 だが、インフレ率はこれから上昇に転じることは間違いないだろう。政府関係者が待望していた

 物価上昇率の拡大だが、正念場これからだ。



 景気動向

 景気は、停滞気味だろう。

 今年は、本格的にインフレが始まるはずで物価上昇が人々を苦しめ始まめるだろう。

 物価があがってもすぐには賃金があがるわけではないからだ。

 インフレ、破壊的な出来事で大きく混乱するだろう。


 これは完全に外れたといえるだろう。その原因はさきほども述べたように物価上昇率の

 予想を間違えたためだ。今回は前回70年代よりも高くなることを考えていたが

 どうもそうはならないようだ。となると、しばらくは物価の上昇率は高くならず安定的に推移

 することになるだろう。


 金利動向

 日米とも大きく上昇するだろう。本格的に始まるインフレや悪化する一方の財政が

 いよいよ問題になるからだ。

 日本の公的債務はもはや返済不能だ。消費税を引き上げても、景気が悪化するので

 抜本的な改善は増収では不可能なのだ。

 それがいよいよ明らかになるだろう。


 金利は、多少上がったものの、安定的だった。

 一方で、予想したとおり、財政の悪化はいっそう顕著となった。

 消費税の引き上げが検討されるようになったが、それは景気を悪くするとの

 意見もでてきている。政府は今歳出削減を始めようとしている。

 私も小さな政府には賛成だが、そのためには経済を本質的に強くする必要があるだろう

 今の繁栄は、アメリカ同様に砂上の楼閣だ。



 
 為替市場

 ドルは、大きく下がるだろう。ドルの砂上の楼閣ぶりはますますはっきりしてくる。

 ものを買うためにドル札を刷るという行為がいつまでも、正当化されるわけではない。

 ますます、その傾向がはっきりしてくるだろう。


 これもはずれた、最後こそ円高にふれたものの、ドルはずっと強かった。

 だが、最後の円高にふれるときはわずか一週間で5円も円高にふれた。これはドルが本質的に

 不安定であることを教えてくれている。近い将来、これがもっと大きく露見するときが必ず

 やってくるだろう。

 以上が、答えだ。
昨年は正答率が低かった。その最大の要因はインフレ率に対する認識が

 間違っていたからだ。この点は率直に反省したいとおもう。


 では、2006年はどうだろう?

 予想していこう。

 株式市場

 今年は、後半に調整局面を迎えることになるだろう。物価が上昇するにつれて日銀は、

 量的緩和に必ず踏み切るはずだ。今、株式市場はちょっとしたバブル状態にある。

 小泉氏が期待したとおり、日本国民は投資に熱狂している。

 貯蓄に眠っていた資金が大量に株式市場に流れて株価を押し上げている。

 新興市場であれば数週間で株価が何倍になることはいまや珍しくない。

 エコノミストもアナリストもそしてマスコミも、そして個人投資家も実体には目をつぶったまま、

 株価はもっとあがる。投資するべきだと煽り立てている。

 どうだろう?いままでこのような局面になったことが何度かあった。今回はいままでと違うだろうか?

 そんなことはない。どんな上昇局面もかならず最後は行き過ぎ、最後には大きな惨状を

 残した。

 だが春まで下がるような兆候はあまり見せないだろう。量的緩和の解除が、実施されたあと、

 しばらくして株価は調整にはいるだろうが、あまり大きくはならないだろう。

 残念なことだが、日本は欲望が大きくまさってしまった。もうだれにも止められない。

 列車はレールが途切れるまで暴走してしまうだろう。


景気動向

 景気は、強いだろう。今年一年で見た場合強い基調が続くと考える。

 インフレがいよいよ本格化するがまだ痛手には至らない。むしろ株価の

 上昇で熱気が高まる一方だろう。


金利動向

 金利はいよいよ上昇トレンドにはいる。株価の上昇、景気の過熱で日銀はごてに回るのを

 おそれて必ず金利を引き上げてくるはずだ。最初は非難が高まるかもしれないが、結局は

 早めの対応が評価されることになるだろう。

 まだ、資本主義の崩壊はさきになると考えているのでここでの対応は早い形に終始するだろう。


為替市場

 ドルは、下がるだろう。金利差の拡大をはやしてドル買ってきた向きも、米国での金利引き上げが

 終了に向かえば、日本の金利上昇で売らざるを得なくなる。

 ずっと、ドルは強く維持される状況がつづいている。なんといってもドルを信任するひとはまだ多い。

 アメリカにひびが入るのはまだ先だろう。


 最後に、資本主義について述べたい。読者の多くももはや資本主義の崩壊などないとおもっている

 とおもう。だが、それは単にひきのばされているだけでなくなったわけではない。

 といっても、現状、そして過去の崩壊に対する予想がこれだけ外れれば単なる狼少年だと

 おもわれる
だろう。

 だが、どうだろう?日本の社会は蝕まれているようにおもわないだろうか?

 ヒルズ族と称される金持ちがこの世の春を謳歌する一方、子供は殺され、親も殺され、老人は孤独死

 若者は、働かない。そして人口は減ってい行く・・・

 日本は、異常な雰囲気が醸成されていないだろうか?

 私は、これはいよいよ経済人の時代が末期的になってきたようにしか思えない。

 「資本主義と共産主義の没落」にはこう記されいてる。経済人の末期には貧富の格差が拡大し、

  社会不安が増大する。そのような状況に大して没落した軍人、知識人が立ち上がり金持ちの時代

 を終わらせると。

 たしか、今、ヒルズ族や金持ちの力は強い。圧倒的ともいえるだろう。だが、どんな権力の時代も

 必ず終わってきた。今回の経済人の時代だけが永続することはない。


 ベルリンの壁が壊れることを誰が予想しただろう?

 フィリピンのマルコスやイランのシャーが倒れるとだれがおもっていただろうか?

 ゆえに、資本主義の崩壊が崩れないとはだれにもいえないはずだ。

 正確な予測は確かに難しい。時期はまだ見えない。だが、今の日本の動向を見ている限り

 マグマは静かに、しかし確実に動いている。

 近い将来、日本は軍人の時代に必ずなっているだろう。

 この考えに、いささかの揺るぎもない。 







  ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

ものでもありません。ご了承ねがいます。