世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

   今週は、講演会の雑感です。

 本来は、来週更新の予定だったが、今日講演会を聞いてすぐ書いたほうがいいだろうと判断した。

 詳しい内容は、問題もあろうかとおもうので講演会自体の内容は感想にとどめたいとおもう。

 ただ、私が行った質問については、詳細に話してもかまわないだろう。

 後半で述べることにする。

  
 ラビ氏の講演で一番興味深かったのは、イスラムと西欧文明の対立に社会周期理論が

 関係している
ということだ。

 いま、イスラム世界は、知識人の時代の底にあり、西欧は経済人の時代の底にある。

 知識人=宗教者の時代は今まさに終わろうとしており、次の時代の権力者である経済人

 を嫌っているから原理主義が物質主義を攻撃しているとの話は、非常に興味深かった。

 そして、原理主義は最終的に敗北すると述べていた。これは同感だ。しかしその攻撃の嫌悪の

 奥にあるのが次代の富裕者に対する嫌悪
という視点は非常にユニークに感じられた。


 ついでもうひとつ。

 インフレについてだ。インフレの周期はなくなっていないが、影響が小さくなっているとの

 ことだった。貿易を通じてインフレが起こりにくくなっているという趣旨の説明があった。

 しかし、原材料である商品物価はこれまでどおり急騰するだろうとしている。

 
 これまでのインフレ理論に比べると後退した印象だ。グリンスパンの嘘でも

 明確に貿易に反対しなくなっているいことからも、貿易による物価抑制効果

 を考慮にいれるようになっているためだろう。

 
 あと、補足的にだが、司会を務めたペマ氏が私と同様に盛んに竹中氏を非難していた。

 前回も書いたとおり、私も同感である。

 竹中氏の罪はひときわ重い。アメリカで最新理論を学んできたと称しているが

 日本が不景気になれば財政出動しろといい

 そのために財政が赤字になれば黒字にするために財政規律を取り戻せという。

 また、米国の株価が上がればニューエコノミーだ、IT革命だと喧伝し

 日本の景気の根本原因は不良債権で銀行合併させればよいという。

 だが、銀行の合併で銀行はすさまじい収益をあげるようになっているが

 景気は回復しただろうか?


 経済企画庁は言葉遊びを続けているが、多くの人にその実感はない。

 金持ちにしか恩恵が出ない政策のどこがすばらしいのだろう?

 一体竹中大臣は何を学んできたのだろうか?
 
 私には、彼には過酷な運命が待っているような気がしてならない。

 彼は、あまりにも不誠実すぎるからだ。

 
 このほか、短期的や長期的な予測についてもコメントがあったのだが、ここで詳細を

 述べることは控えたいとおもう。

 
 最後に私の行った質問とその答えについて述べたい。

 私は、ラビ氏にずっと以前から持っていた疑問をぶつけた。

 「社会周期理論では日本は、底にある西欧、インドと違い、まだ下降局面にある。

 しかし、博士は日本でも社会革命があるとおっしゃった。これをど考えればよいのでしょう。」

 と。

  なんどかこのテーマは疑問を呈したことがる。日本は下降期であるが、まだ、底には達していない

 となると、今回の西欧の社会革命とは関係がなく、経済人の時代が進行して

 日本はどんどん犯罪が増加したり、腐敗が進行するのではないだろうか


  私の勉強不足もあり、どうしてもこの疑問を解決することができなかったので思い切って

 ぶつけたのである。

 博士の回答は、およそこのようなものだった。

 「今回起こる社会革命は、カナダ、米国、インド、西欧など世界規模のものだ。
 
 非常に大きなものなので、同じ富裕者の時代に属する日本にも影響がでる。

 たしかに下降期にあるが、この影響で日本も社会革命が起こる可能性が高い。

 西欧や米国ほどではないにしても指導者が変わるという大きな影響をうける
 
 だろう」


 
 要するに、今回起こる社会革命は世界規模の非常に大きな影響なので

 日本もその影響を受けることになる
ということなのだ。

 私は、さきほどもいったように日本だけが経済人の時代に取り残されて

 治安の悪化や政治の腐敗にさいなまれることを非常に恐れていたが

 その可能性は小さいようだ。2016年までに日本では腐敗的な指導者は一掃されるだろうと

 博士は語っていた。あと10年もしない間に、日本でも劇的な変化が見られる

 ことだろう。これは非常に期待が持てる話だったし、このサイトを立ち上げて7年、

 この疑問をもって10年にしてついに答えを得ることができた。
 
 非常に有意義で面白い講演会だったというのが感想だ。

 また、いずれこの講演会の内容を詳しく述べることがあるだろう。

 
 


 
 


  ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

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