世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

   

しばらく休載している間にスペインではテロが起こった。
テロの犠牲になったかたには哀悼の意をささげたい。
当初は
ETA(バスク地方のテロ組織)と思われたが、
次第にアルカイダの犯行との見方が強まっている。

 ロンドンのアラブ紙には、日本を名指しした犯行声明が届いた。

前回私はこういった「日本の近くで戦争が起こるということである。
戦争でないにしてもテロかもしれない。」

今回は遠いスペインで起こったので直接当たったとはいえないが、
再度日本の名前がでたことで、日本でテロが起こる可能性が高まったといえるだろう。

一方で、テロの発生時こそ下がった株価だがずっと堅調さを保っている。
これはいつまで続くのだろうか?私は、年初に今年の前半は堅調だろうと予測した。

 現在はこれに沿った通りの展開と考えている。この株高は、実は
為替介入によってもたらされたものである。日本は巨額の介入で
無理やりドル安を阻止しており、その資金は、ドルから米国債に
化け、それが金利低下を生み、アメリカの株を押し上げている。

 アメリカ株価の上昇が、国際分散投資を通じて、
世界中同時株高を演出しているのだ。

これは90年代中盤に日本の機関投資家が運用難から外債投資
を行って米国金利を引き下げた事例にそっくりである。
このときは
140円台まで円安が進んだあと100円まで円高が進んで
大きな損害がでた。痛手は大きくて結局、今でも日本の機関投資家は
外債投資に慎重になっている。だからこそ日銀は、必死で買いさているわけだ。

 それが株価の上昇に繋がっている。生産性が劇的に改善したからではないのだ。

 しかし、日本政府がここまで為替の安定に固執するのか私には理解できない。
多くのエコノミスト、経営者、政府関係者は妄信的に経常収支の黒字は大きければ
大きいほど良いと考えているようだ。「輸出しなければ日本は生きていけない」
という御題目がもはやイデオロギーというか脅迫観念になっているようだ。

「内需が弱いから外需しかない」という考えも多い。内需が弱ければ内需を
喚起するような政策をとるべきではないだろうか

 竹中大臣は国際競争力がすべてだと考えているようだが、この競争力は
為替レートで大きく変動してしまう。たとえば韓国の経常収支は
90億ドルであり
、日本の
1180億jに比べて1/10以下である、これなら為替水準は大きく変動しない。

 中国も240億ドルと日本の1/5にとどまっており、元の切り上げ圧力は現時点
ではそれほど大きくない。だからこそ固定相場が維持できるのだ。

 

 たとえば、韓国のサムソン電子は大きな収益をあげているが、為替が安定する
ような経常収支構造に支えられているのだ。日本はだれもかれもが海外にうって
儲けようするために、輸出偏重になっており、為替リスクに耐えず晒されている
為替の安定を願いながら一方出輸出で儲けようとするのは明らかに矛盾している。
この矛盾に気づかない限り、ずっと円高に苛まれるし、内需も回復しない。
なぜなら輸出偏重が賃金を押さえる大きな原因になっているからだ。

 

 内需が弱いと経営者もエコノミストも指摘するがその弱い原因が輸出偏重主義に
あるとはまったく思っていないようだ。まったくもっていい加減さが蔓延している
ことを嘆かずに入られない。エコノミストも、マスコミも一面だけをみて適当な
ことをいっているようにしか見えないからだ。

 お金の流れは全て繋がっており、広い視野にたって分析する必要があるだろう。





  ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

ものでもありません。ご了承ねがいます。