世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

  先週も所用により更新できませんでした。お詫び申し上げます。

  多忙により更新が不適になりがちです。楽しみにされているかたに

  にはまことに申し訳なく思っております。



 今週は、昨年後半に進めていた経済の問題点、これの総括を進めて行きたい。

 GDPの問題を中心に取り上げてきたが、いくつかはっきりしたことがある。

 現在の景気は、バラウスが崩れた状態にある。

 生産性が向上する一方、賃金の減少が続き、需要が恒常的に不足するようになっている。

 このようなアンバランスは、もう日本経済のそこらじゅうに広がっている。

 貧富の格差、そしてそれに起因する貯蓄の偏り、個人と法人が大幅な資金余剰となる

 一方、政府には借金がつみあがっている。

 これは不健全極まりない。



 だが、だれもいわないことは非常に不思議な現象である。経済が明らかにおかしくなって

 いる これは認めても、なぜこうなっているのか、指摘しないのである。

 正月にも指摘したが、もう学者の多くも経済の不調の原因がわからなくなっている

 のである。

 そのために、出てくる対応策は場当たり的でとても現実離れしたものばかりだ。
 
 インフレターゲットしかり、ETF購入論しかりである。


 では、なぜ不景気の原因がわからないのだろうか? この疑問対する提示を私は

 怠っていた。実はとても単純なことだ。教科書に載っていないのである。

 流動性のわなと呼ばれる状況は確かに教科書に載っているが、あくまでも金融

 政策のはなし であり、金利をゼロにしても資金需要が発生しない状況などどこに

 ものっていないのである。 つまり、ありえないことになっているのだ。だからのっ

 ていない。学者は教科書に載っていない事例なのでまともな回答ができない

 のである。


 これが、支離滅裂な議論の背景なのだ。これではまともな答えが出てくるわけがない。

 この不景気は1930年に発生した大恐慌と同じものなのだ。

 私にいわせれば、あのころに比べて失業率が低いだけで、実態は大恐慌と変わらない。


 物価は下がり、賃金も下がり、巷には失業者があふれ、犯罪が激増している。

 根本的なところで何も変わっていないのである。

 そして、この景気後退は始まってもう10年を超えるのになんの手立ても見つからない

 まま事態は確実に悪くなっている。みんなどこかがおかしい。なにかが間違っている


 ことがわかっているのだが、それを明快に示してくれる理論がないからである。

 
 あるものは、不良債権だといい。あるものはデフレだといい。あるものは複合不況といい。

 果ては、気の持ちようだといった。どれも対処両方が試みられたが事態は一向に好転

 しないのである。このまま、放置すれば、日本経済は立ち居かなくなるのは確実だ。

 
 早急な対策が必要だとこのHPではなんども指摘したが、まったく無視された。

 私のいってることは、杞憂だろうか?狼少年だろうか?

 ほんとにそうだとすれば、このような緩慢な不況がずっと続くとは思えないのだ。

 これからしばらく私のページでは、経済回復の方法ももういちど根本的なところから

 見直そう。見えてくるものがあるはずだ。

 まず来週は、日銀がなんでも購買すればよいということについて考えよう。


 ここで、ひとつ触れておきたい。それは株価だ。昨日ついに株価は、バブル後の最安値

 を
 再び更新した。私は年初に「今年の相場は低迷するだろう。何度かリバウンドする

 と思われるが、結局、本格上昇にはいたらない。特にアメリカは、わずかの間に40%


 も上昇した。このようなリバウンドは大暴落局面が続いていることをあらわしている。」

 と述べた。


 
 事実このとおりになっている。アメリカも同様で上昇期待はまったくない。

 最近、株価の予想を述べないと追われている方もいると思うのだが、株価は上がる

 要素もなく下では買いさえられているのでコメントしようがない
のである。

  ただ、いえることは、買い支えは長く続かない。株価には妥当な価格というものが

 存在しており生命保険や銀行が購入した水準が妥当とは限らないのだ。

 単に、購入価格をターゲットにした買い支えは必ず失敗する。

 だから、回復しても一時的でそのあとはもっと暴落してしまうのだ。

 
  私やラビ氏の考えの根本にあるのだが、川が上から下に流れる法則は変えら


  れない
のだ。人間にできるのは川の流れを左右に振ったり、治水することだけだ。

  株の買い支えや為替の介入は無意味である。
 
  今年は大きな株価の動きがなくても、来年、再来年は大きく変動するだろう。

 それは、日本にとって破滅的な影響をあたえるかもしれない。

 これについてはいずれ語ることにしよう。
 

 

 

  ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

ものでもありません。ご了承ねがいます。