世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

   今週は竹中政策について考えます

 

 今日、朝のTVに竹中大臣が出ていた。

 彼は最近、本を出版しており、その内容を引用した質問が多数行われた。。

 その内容からすると、どうも竹中氏の主張は、この二点のようだ。

 デフレを克服するためには、金融緩和を行い、ETFを購入すべきだと。

 

  これは典型的なマネタリストの論議だ。マネーサプライが増えればすべて

うまくいくというのである。

  途中で、識者が、これだけ(金融緩和を)やってもほとんど効果がないでは

ないかといったが、竹中氏は多少はあったといった。

 そうだろうか?私言わせれば、悪くなるのを多少和らげただけである。

それは単に何もしなかったより、ましだっただけで、事態を反転させるような

 効果はまったくなかったのでないだろうか?

 

 もう、短期市場の余剰は20兆円である。2000年問題の時よりも金融は緩和

されている。しかし、事態はまったくといっていほどよくなっていない。

 これでも金融緩和を続けるべきだろうか?

 

 私にはまったく無意味だとしか思えない。だが、竹中氏は議論の結果、

マネーサプライはちょっとだけでも効果があったからやるべきだとの結論

になったといってる。なんということだろうか?ほかのやってない政策の効果は

わからないのに、やった政策が落ち込みをほんのちょっと緩和しただけで

もっとやれば効果があるかもしれないといってるのである。

 

 もし、短期市場の滞留額を40兆円にしたら、事態は解決するのだろうか?

私にはとてもそうは思えない。日銀には金融緩和を要請する一方で

銀行には貸し出しを含む、資産の圧縮を押し付ける。

 こんな矛盾した政策がうまくいくはずがないのだ。

 いったいぜんたいどんな議論が行われたのだろうか?

 

 とても不思議なことだ。あきらかに矛盾しているのに・・・

 

 もうひとつ、ETFの購入はどうだろう。これは日経平均に連動する

投資信託である。通常の投信と違う点は、通常は解約ができず、

受益証券を株のように売買できるところだ。

 こうすれば、市中に出回る株券を減少させて株価が維持されることになっている。

 それは、有限の世界ではまちがっているのだが・・・

 さておき、ETFを日銀が買えば裁定取引を通じて、株価が上昇。

 資産価格があがって銀行危機も、経済危機も解決という

一見するといい方法である。

 

 しかし、不自然に吊り上げた株価が維持できないことは2000年の暴落で

すでに証明されたことだ。いまの日経平均8000円の水準が本当に売られすぎなら

 とっくに反発しているはずだ。それがもう半年近くも、この水準で低迷している。

 むしろ、まだ高いかもしれないのだ。銀行がつぶれそうだからという理由で株価を

維持することはできない。株が上がるにしても下がるにしても理由があるからだ。

 

 竹中さんやそのほかの識者は日銀があたかもうちでの小槌で、なんでも

できると思ってるとしか思えない。いまの日銀の株購入は戦時下の国債引受に

とてもよく似ている。日本政府が発行した国債を引き受けため、日銀の資産は

劣化し、最後は紙くずになって通貨制度は崩壊してしまった。

 ETFを買って、株価が暴落したらどうするのだろうか? 日銀が買えば、株価は

下がらないと本気で信じているのだろうか?

 だとすれば、それはとても不自然な思い上がりだ。手痛い反撃を食らうことに

なるだろう。

 

 どうも、知識人は善悪を忘れているようだ。自分の理論の矛盾点を精査

しているとはとても思えない。みなさんはどう思われるだろうか?

 

 

  ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

ものでもありません。ご了承ねがいます。