世界経済と幸福論

 

過去のバックナンバーです 

2002年前半分です

バックナンバーコーナー

2001年分です

バックナンバーコーナー

2000年分です

バックナンバーコーナー

99年分

バックナンバーコーナー

98年分

バックナンバーコーナー

人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

   先週は、私用で更新できませんでした。申し訳ございません。

 

  年初に更新を約束したのもかかわらず、先週は更新ができなかった。

  個人的な資格試験でその時間が取れなかったためだが、事前に告知して

おくべきだっただろう。申し訳気持ちでいっぱいだ。

 

 さて、当初の予定は変更して、今日は「インフレターゲット」について考えたい。

 最近、インフレターゲットなることばを聴くようになった。

  これは、ニュージーランドなどで導入された政策目標である。

 高インフレに悩む国がインフレを抑える水準を決める目標である。

 

 これを日本に導入しようという議論が盛んに行われている。これを禁断の果実

と称するマスコミがあるぐらいだ。本当に危険なものだろうか?

 ターゲットを導入すること自体はなんの意味もない。高インフレであったも

デフレであっても、目標を導入しただけでは、なにも変わらない。

 実際、現在の日銀は、目標を物価上昇率をゼロ以上にすると宣言している。

だが、物価はあがるどころか下落の様相を強めているだけだ。

 では、どういうことなのだろうか?

 

 ここで問題になっているのは、金融政策である。一層の金融緩和、あるいは

株でも、債券でも、土地でも片っ端から買い入れて日銀が需要を創出すれば

いいといっているのである。

 最初の金融緩和はもはや効果がないことは自明の理である。桝添参議院議員

が以前、盛んにいっていた金融緩和は確かに実施された。しかし、効果は

まったくなかった。現在の不景気は金融政策にはないので当然だった。

 

  では、もうひとつの日銀のなんでも購入論はどうだろう?

 たしかにこれは需要を創出する。だが、日銀の資産を劣化させる。

これなら確かにインフレになるかもしれない。しかしそのインフレは普通の

インフレでは絶対に収まらない。リチャード・クー氏が以前、新聞かなにかで

述べていたが「日銀の信用はあるか、ないか」である。

 ということなのだ。

 

 日銀の信用がなくなれば確かにインフレは起こる。しかし、それは通貨の信用が

失われることを意味しており、通常のインフレではない。ハイパーインフレである。

 こうなるとインフレターゲットに意味はないことがわかる。

 日銀をうちでの小槌として使うかどうかという問題なのだ。これは麻薬的な誘惑だ

行えば、確かに目先にデフレという問題は解決できるかもしれないが、後遺症は

日本全土を破滅に導くことになるだろう。

 

 今日は、先週更新できなかったのでもうひとつ述べたい。

 それは、銀行が行うあるいは行おうとしている増資の話である。

三井住友銀行は、ゴールドマンサックスの出資を受けることになったが、私は

その内容を見て驚愕した。なんと優先株の配当率が4.5%という高額に加え、

欧米でゴールドマン側で不良債権が発生した場合、三井住友銀行が

負担するというのである。

 

 著しく不利な条項である。なんとこんな不利な条件で出資を受けなければないら

いところまで、追い込まれているのである。

 まったくばかげているとしか思えない。これで三井住友銀行が欧米での不良債権

まで押し付けられたらどうなるのだろうか?

 こうなった経緯を考えよう。

 

  竹中大臣が不良債権こそが不景気の原因である⇒早急な処理が必要⇒

国有化して一気に処理をちらつかさせる⇒銀行側が必死に防衛⇒増資と貸し出し

削減で自己資本比率を上げようとする

 

 ということなのだ。そして増資と、貸し出し減が起こるとどうなるかというと

 

⇒貸し出しは減り不景気が進行し不良債権は増加⇒銀行は優先株の高配当と

欧米の不良債権を押し付けられますます不良債権は増加⇒竹中大臣が・・・

 

 となる。実際、貸しだしは大きな問題になっている。私は銀行の貸し渋りあるいは

貸し剥がしは不景気の原因だと思っていない。あくまでも付随的なものだが、

それでも信用の収縮は不景気を助長させることにある。

 

 この経緯を見ると竹中氏やそのブレーンといわれる木村氏の主張はまったく

間違っていることがわかる。彼らは、不良債権こそが癌であり、多額の負債の

ある企業こそが問題と主張しているが、借金をする会社が無くなれば、銀行も

投資かも成り立たない。要するに経済学に対する理解がまったく足りないし、

自分が首にならないことをいいことに好き勝手やってるとしか思えない。

 

 小泉氏も国民には痛みをといってるが、自身の生活は保障されている。

私はいいたい!失業者やホームレスの人々の苦しみが分からないのか!

と、今回の件は明らかに不正義である。今回の不景気に銀行は確かに

かかわったが、不良債権は原因ではない。もっと総論的なもので、富の不均衡と

家の狭さからくる需要の不足なのだ。だが、それは金持ちにとって都合が悪く

依然として封印されている。だが、このような不自然なことはいつまでも

続かない。必ず白日の元にさらされるだろう。

 

 

 

  ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

ものでもありません。ご了承ねがいます。