世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

   今週は経済の問題点CGDP総論です。

 

 今年の年初は株式市場は波乱のスタートとなったようだ。大発会こそあがったものの

その後は下落基調となっている。大きな流れ自体は変わっていないように見える。

 本当の意味で底うちにはまだ時間が必要だろう。

 

 さて、年末年始などTVを見ていると、現状、そして将来の経済見通しについて

百花繚乱の状態であった。

 特に対応策はについてはばらばらである。

 竹中大臣と木村氏は不良債権問題の解決こそがその道であるという。

リチャード・クー氏は、財政出動こそが、榊原氏は円安こそが、

また、あるものは、インフレターゲットや減税であるという。

 経済界にいたっては他国の間接税率が高いことをあげて消費税を16%にすれば

よいといっているのである。

  

 

 結局、もうみんなばらばらなのである。今起こってる事象に対して根治療法を

施せなくなっているといえよう。

 ここで、経済の問題点を整理して考えたいと思う。

本来であれば、GDPの構成要素である輸出と輸入を説明してからだが

実はGDPに対する輸出入の寄与度は1%程度でしかない。

 逆にいうと輸出による経済成長は幻想ともいえるのである。そして儲かるかるのは

一部の金持ちだけだ。

 では、進めていこう。

まず、現在の経済で景気回復あるいは成長とよばれているのはGDPが増えたか

減ったかである。これがそもそもの間違いなのである。たとえばGDPの総額を1000

、人口100をとしよう。みんなが等分に10ずつ所得が分配されているなら総額が1000

⇒1100になれば一人あたり10⇒11と成長したことになる。

 

 だが、こんなことは実際はない。貧富の差が大きくなればなるほど、この総額成長

には疑問を持たざるを得ない。1000のGDPのうち一人が400もってしまえば残りの

600を99人で持つことになる。一人当たり6をわずかに上回るだけである。

 しかし、一人当たりGDPは10である。

 これを考えれば一人当たりGDPいかにいい加減かわかるだろう。

 そしてこれは実際アメリカで起こっているのである。アメリカの個人の中心所得層は

一人当たりGDPよりもずっと低い。富が集中しているからだ。

 

 結局、景気が良いとは儲かったことをさすのであり、総額の成長が個人の

所得増に結びつかない限り、景気は良くなったとはいえないのである。

 今年の春闘は早くも賃下げなどというおろかな状況にあるが、これは明らかな

間違いである。

 増税なんぞをすれば実質的な購買力はもっと下がってしまい、景気は一向に

回復しないだろう。

 

 この矛盾を解決するには実質平均賃金をものさしにすれば良い。ただし

たんなる平均値では、一人当たりGDPと同じ矛盾を抱えてしまう。

 解決するには、最高賃金制度の導入が不可欠である。

 こうすれば最高賃金と最低賃金は同時に引き上げられ需要は増加するのだ。

 

 どうも、エコノミストははじめとする知識人、経済人は貪欲すぎる!

自分が首にならないことをいいことに貧乏な人や弱者に苦痛強いすぎているのだ。

 もっとバランスがとれた政策が必要である。

 次回は、所得面から需要を考えよう。そうすれば特定の層に富が集中すること

がいかに経済に害を及ぼしているかがわかるはずだ。

 

  ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

ものでもありません。ご了承ねがいます。