世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

   恒例になっている元旦の予想です。

 

 昨年末は、更新ができなかった。パソコンの更新を行っていたこともある

のだが、正直にいうとこのHPの更新を中断しようかと考えていたのである。

昨年後半以降、更新ペースが大きく落ちた。多忙なこともあり、約束していた

更新日時も守れなくなることがしばしばだった。

 

 そのために、一度休止にしてしまおうかと、考えていたのである。

しかし、この手のコラムは、新聞、雑誌の休刊と同じで休止にすると

事実上、廃止になってしまう。それがいいことか悪いことか、ずっと考えて

いたのである。

 

 結論は、出なかった。そのため、しばらくは継続することにする。少なくとも

今3月末までは、更新をお約束する。その時点、でももう一度考えることとしよう。

 

 さて、ご挨拶がおくれた。あけましておめでとう。昨年は結局、経済状態は

悪いままだった。今年はどうなるだろうか?

 

まずは、答えあわせだ。昨年の予想はどうだったのだろうか?

 

では、本題に入ろう。

株式市場

 恐らく、今年が今回の下落局面の底になるだろう。ただ、回復が永続するか

どうかは、政策担当者の考え次第にかかっている。20年代のアメリカ、

90年代の日本のように安易な対応だと回復局面はわずかしか続かない。

 

 時期としては、夏から秋にかけてだろう。現在、日米とも株価は

小康状態にあるが、前半は、経済の悪化に伴って株価は大きく下がる可能性が

高い。しかし、循環的な側面から後半は、回復に向かうだろう。

 だが、安心はできない。アメリカの金融システムががたついてくるのは

この回復局面に入ってからなのだ。

 

 アメリカについては、完全に的中した。昨秋に株式市場は底を打ち回復した。

だが、足元の状況はとても大底とはいえない。これは経済の問題に手を施す

のではなく。戦争という安易な政策に頼ったためだ。

 日本の底は、確かに秋だったが、回復は春だった。空売り規制によるものだ。

だが、人為的な政策では長く続けることができない。結局、安易な対策に

日米ともに走ってしまった。これは禍根を残すことになるだろう。

 

金利市場

 こちらは、逆に天井を迎えるだろう。FRBの利下げは、株価の回復と

ともに終焉を迎えるからだ。

 ただ、現在マイナス金利の状態にあるため、今年とはいわないまでも

逆に利上げ観測が出てくる可能性があるだろう。

 これが、アメリカの景気の回復を鈍らせるはずだ。

 

  これもほぼ的中したといえる。ただ、天井かどうかは微妙なところだ。

これについては後述する。

 

 日本は、もはや無秩序な状態にある。日銀は当座預金の残高を

どんどん増やしているが、この資金は投資需要のない国内には

向かわず、アメリカなど海外に流れている。

 この10年間、ありとあらゆる手段が試みられ、治療が行われたが

結局、景気は回復するどころか悪化する一途だった。

 その結果が、大量の資金供給なのだが、まったく無意味で効果がない。

しかし、逆に金融調節しか方法がないと思われているのも事実であり、

この傾向は、まだ続くだろう。

 

 これもまったくそのとおりだった。結局、日銀が当座預金を増やしても、

株を買っても景気はまったくよくならない。私には、インフレターゲットを

叫ぶ識者マスコミは経済のことをまったく理解していないとしか思えないのだ。

 

為替市場

 今年は、再び通貨危機が起こる可能性が高まっている。昨年も

この予想で指摘したが、日本政府は円安政策を露骨に推し進めはじめている。

しかし、世界第2位の経済規模を誇る日本が通貨の切り下げ政策を進めることは

非常に問題がある。それは日本のように輸出で成り立っている国々に対する影響だ。

特に中国はアメリカや日本に輸出をすることで成長を図っており、日本の通貨が

きり下がると影響が大きい。万一、元が切り下げられれば、

深刻な事態が予想されるだろう。

 

 

 これは、外れたといえる。実際には大幅な円安のあと、急激な円高が襲ってきた。

私はずっとドルの崩壊を予想してきたが、その兆候がいよいよ現れてきたのかも

しれない。アメリカの強さというものはいまや、絶対的だと思われているが、そのとき

には、すでに弱体化が始まっているものだ。

 

 景気動向

 景気は、今年は回復しない。おそらく今年後半には相当悪化すると思われる。

そういったなかで株価が回復するため、多くのエコノミストは今年の年末には

2003年は景気が回復するだろうと言い始めると思われる。

 だが、金融システムの不安はそういう中で静かに進行しているはずだ。

大恐慌の本格化は、そのときに始まるだろう。

 

  これも、ほぼ的中した日本では来年回復すると言っているものは少ないが、

それでも循環的な面からハイテク株の戻りを予想する向きは多い。

 アメリカも、ひところ株価が回復したときにそういっていた向きは多かった。

 そして、金融界では不良債権の問題が徐々に表面化している。

 予想通りだった。

 

 では、2003年の予想に入ろう

景気動向

 今回は、景気動向から入ろう。今年は、重大な転機が訪れるだろう。

アメリカは、個人を借金漬けにすることで、なんとかGDPを回復しているが、

その比率は、たじろぐほどの水準に達しており、近い将来必ずたちかなくなる。

 それは、不動産バブルがはじけるときだ。アメリカの借金漬けが可能なのは

金利の低下による不動産金利の負担軽減によるところが大きい。

これは、ひとたび不動産価格が下落に転じれば、もう借金の返済が立ち行かなく

なるのだ。おそらく今年中には不動産バブルははじける。

 いよいよ号砲はなろうとしているのだ。

 

 日本は、低迷が続くだろう。小泉首相の政策は徳川吉宗の政策そのものであり、

明らかにおかしい。だが、これを正面からいさめるものは少ない。卑しい私利私欲の

ために反対しているか、人気にあやかるために表面上支持しているゴマすりかの

どちらかかしかいないのが現状だ。

 このような状況下では危機が起こりやすい。指導者の危機管理能力が試される

局面は今年は起こるだろう。そして小泉氏がリーダーシップを発揮できるか?

彼が武人か?ということが明らかになるはずだ。

 

 株式市場

 今年の相場は低迷するだろう。何度かリバウンドすると思われるが、結局、

本格上昇にはいたらない。特にアメリカは、わずかの間に40%も上昇した。

 このようなリバウンドは大暴落局面が続いていることをあらわしている。

 日本も、空売り規制時こそ上昇したが、その後はさっぱりである。

 インフレターゲットなど、あいもかわらず日銀をあてにした議論ばかりが

続いているが、金融政策では効果がないだろう。

 結局、底値圏での低迷が続くだろう。

 

 金利市場

 こちらは、株と逆で天井圏での推移がつづくこう。日本の長期金利はなんと0.9%

である。これでも物価がマイナスなので実質金利は非常に高い。

 こんないびつな状況に陥っているのは、結局需要が弱すぎるからである。

消費も、投資需要もない状態が、すでにずっと続いており、これが影響している。

 これは、簡単には解決できない。結局金利は低いまま続くことになるだろう。

 

 為替市場

 ドルは輝きを失いつつあることが明らかになるだろう。そのきっかけは私には

わからない。ドルは非常にもろい立場にあある。世界最強は世界最弱に通じる

のである、今年は、このようなこと実感する局面が訪れるだろう。

 

 以上が、今年の予想である。どうだろうか?あたるかもしれないし、90年代の

様にことごとく外れるかもしれない。

 だが、はっきりしていることは、小手先の改革ではもう立ちいかないのだ。

真の災悪は、おそらく2005年だと思うが、それまでも小出しで起こるだろう。

 その一端が今年かいま見れることになるような気がしてならない。

 

 だが、闇夜が晴れないことはない。この苦しみを乗り越えればよりよい

社会というものが見えてくるだろう。 

 

ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

ものでもありません。ご了承ねがいます。